ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus
ヤマクワガタは国産クワガタでは最大級のクワガタです。オスの頭の部分に特徴があり、それは鎧(よろい)のようです。ノコギリクワガタと同じように茶色が多いですが、ノコギリクワガタはあか茶色で、ミヤマクワガタはこげ茶色です。オスの体には短い毛がたくさん生えています。足はほっそりとして長く、繊細(せんさい)な感じがします。メスはアゴが他のクワガタと比べて太いことと、後ろ足に3本以上のトゲがあることで、比較的、簡単に見分けられます。
学名の"maculi"は「斑(ふち)、"femoratus"は「股(また)」という意味で、確かに足の付け根は色が違います。
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大分県産のオス |
島根県産 65mmのオス(2008年) |
体に短い毛が生えています。 |
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威嚇(いかく)しているオス |
メスのアゴは太いです。 |
メスの後ろ足に3本以上のトゲがあります。 |
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均整のとれた体が美しいです。 |
卵を産んだ島根県産のメス(2009年) |
卵を5つ見つけました。 |
ミヤマクワガタは、「深山鍬形」という名の通り、深い山の中に住んでいます。暑さに弱く、昼間にも枝にとまっていることが多いようです。ミヤマクワガタがいる木の下では、鳥に食べられたのか、オスが傷ついて死んでいるのをよく見かけます。成虫の寿命は短く、残念なことに秋には死んでしまいます。
オスは愛媛県東温市と宇和島市のクヌギの林で見つけました。島根県西部では山中の谷にかかった橋の外灯の下とコナラの林で見つけました。メスは灯りに飛んできたのを愛媛県鬼北町と島根県で捕まえました。ミヤマクワガタのブリードは難しく、2001年に1匹だけ幼虫になりました。2009年に5匹の幼虫が誕生しました。家の外で一番涼しいところに置きましたが夏の暑さを乗り越えることができませんでした。
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島根県産のメス(2016年7月) |
幼虫が誕生しました。(2016年10月) |
幼虫が育ちました。(2017年5月) |
冷温庫で管理しました。 |
2016年夏にコンビニエンスストアの明かりに飛んできたメスを見つけ、飼育したところ25匹の幼虫が誕生しました。冷温庫「life_mart ポータブル冷温庫
25L」を9,800円で購入し、夏の暑さを乗り越えました。設定温度は20℃前後が良いと飼育の本に記載されています。大きな成虫を育てるためにフジコンの「カワラ茸RGボトル800ML」を4つ購入しました。1本698円とやや高額です。3か月ごとに交換する予定です。