クワガタと樹木
 クワガタ採集は、クワガタがいる木を探すことから始まります。樹液が出ている木、穴があいている木、大きな木を探すことが近道です。樹液が出ている木には、オオスズメバチ、ガ、カナブンなども来ています。樹液のそばを通ると甘酸っぱいにおいがします。樹液はクヌギ、コナラ、カシ類などのブナ科の樹木から出ることが多いです。ヤナギからも樹液が出て、たくさん昆虫が集まっています。
 クワガタは里山に多くいます。里山というのは、人々が生活のために整備をした山のことです。私のふるさとでは、山は建材用にアカマツを残し、松葉を燃料にしていました。クヌギの木は炊事や風呂を沸かす時の薪(まき)になりました。里山にはクヌギ林、松林、竹林などがあります。最近、山村では人々が里山に入ることが少なくなり、人の出入りがなくなった里山は次第にもとの深い山に戻ろうとしています。

クヌギ <櫟・椚・橡> Quercus acutissima
 クヌギは「国木(クニギ)」が転訛したものとされ、昔から人々とのつながりが深いことが分かります。クヌギの木はふるさとでかくれんぼをした時のかくれ場所のにおいを思い出します。クワガタの飼育を始めて気づきました。
 これまでにクヌギからコクワガタ、ヒラタクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、ネブトクワガタを見つけました。樹液が出ている木でクワガタを見つけることが多いです。クワガタを見つける時間帯は夕方が多いです。(夜は危険なので山にはあまり出て行きません。)
 クヌギの朽ち木からもコクワガタの幼虫を採取しました。木を崩しているとクワガタの幼虫以外にムカデも数匹出てきました。軍手は必需品です。朽ち木採取は幼虫の食べ物を失ってしまうため、控えた方がいいという意見もあり、その通りだと思います。河原に転がっている朽ち木から幼虫採取ができるようなので挑戦したいと思います。
ふるさとのクヌギ林。ヒラタクワガタがいました。 クヌギの葉はやや固く長細く、クリの葉に似ています。 クヌギの新緑(6月)
シイタケ栽培のクヌギには、チビクワガタがいました。 クヌギの樹液にコクワガタのオスとメスがいました。 朽ち木にコクワガタの幼虫がいました。(愛媛県宇和島市)

コナラ <小楢> Quercus serrata
大きなドングリのミズナラを「オオナラ」といい、小型の実をつけるこの木を「コナラ」と呼ぶようです。コナラの葉は凧形(たこがた)をしています。これまでにコナラの木で、コクワガタ、ヒラタクワガタ、スジクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、ネブトクワガタを見つけました。
クワガタが多いコナラの林です。 コナラの葉は柔らかく、凧形(たこがた)をしています。 立ち枯れたコナラ。
コナラの樹液にノコギリクワガタがやってきました。 樹液にコクワガタとミヤマクワガタがいました。 ヒラタクワガタが隠れています。

カシワ <柏・栢・槲> Quercus dentataNew
落葉広葉樹で大きな葉が特徴です。カシワの木を見ると、柏餅を思い出してうれしくなります。西日本では柏餅を包むためにサルトリイバラの葉を使うことが多いです。「拍手(かしわで)を打つ」と植物のカシワは関係がないそうです。
カシワの木 カシワの木にいたミヤマクワガタのつがい

アラカシ <粗樫> Quercus glauca
樫(かし)の木の代表格です。シラカシに比べて幹が痛んで樹液が出やすいようです。夏にコクワガタがウロにいるのを見つけました。
春の花と若葉 樹液が出ている。夏にコクワガタを捕まえました。(愛媛県東温市)

タチヤナギ <立柳> Salix subfragilis
 川岸にはヤナギが多く自生しています。島根ではタチヤナギが多いようです。クワガタはヤナギの幹を傷つけて樹液をなめます。ヤナギにはヒメオオクワガタ、アカアシクワガタがいると本には書かれています。川の上流に行くと、タチヤナギの樹液にスジクワガタを見つけました。枝にはアカアシクワガタやノコギリクワガタがつがいでたくさんいました。木を揺らすとたくさんクワガタが落ちてくるので、逆さまにしたカサや広げた新聞紙を木の下において捕まえました。
樹液にスジクワガタを見つけました。 ノコギリクワガタのつがいです。 アカアシクワガタのつがいです。

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