Mew は,XEmacs を含む,Emacs と呼ばれるエディッタ上で使われるメールリーダである. この文書には Mew の使い方が簡単に説明されている.ただし,使う Emacs が XEmacs であるときを想定している. メールの読み書きなどの基本的な取扱方から簡単なカスタマイズの仕方まで書かれている.また,Mewに付属 しているEmacs lispプログラムのうちmew-gnus.el,mew-refile-view.elと mew-nmz.el の説明もしている.
この文書の構成は,以下のようになっています.
Mew [1] をご存知でしょうか. これは,メールを読む・書く・送信する・受信することができるメールリーダの一種です. ただし,このメールリーダは,Emacs [2] と呼ばれる, 主にUnix [3]や Linux[4] などで使用されているエディタ上で利用されるものです.
Emacsとは? Unixを使った経験がある人ならば, Mule[5] といえば分かるかもしれません.MuleはEmacsの一種で, GNU[2] Emacs を多言語対応できるように強化したエディタです[5].また,最近では,GNU Emacs 20.xを Windows[6]用に 移植・強化した Meadow [7]と呼ばれるものまであり,Windowsユーザにも馴染み深いものになってきました. 更に,Emacsには,Muleの他に,XEmacs [8] [9] というのもあります.この文書では,一貫として,EmacsとしてXEmacs を選んだ場合のMewの動作方法等を紹介します.XEmacs説明は,簡単ではありますが, 1.3節にてする予定です.
とりあえず,何故,こんな文章を書こうと思ったのかを説明しようと思います.が,文章力のない者が書いていますので, このようなものを読むのは読者にとって苦痛だと思われますし,はっきりいって,今から書こうとしている部分は, 読み飛ばしてもいいようなものです.どうぞ,読み飛ばして,この節の最後の段落へ 行ってください.
なぜ筆者が Mewを使っているのかというと,それは便利だからです.特に,最初に筆者の心をときめかせたのは MIME [10] フォーマットをいとも簡単にしてしまうことでした.XEmacsについても,また,それが便利であるという一言に 尽きると思われます.また,両者とも非常にインストールが簡単で,特に,XEmacsはアップデート を容易にできるように工夫されています.また,少しでもプログラム言語 Emacs Lisp [11] を知っていれば,自分用にカスタマイズすることも難なくできてしまいます.このように, MewとXEmacsは筆者にとってとても有用な武器となっています.特に,XEmacs上におけるMewの使い心地は素晴らしく, 日々の筆者の研究に大いに貢献していると思われます.こうして,筆者の日々の生活で,これらは欠かせないもの になっているのですが,どうせなら,MewとXEmacsを使っていく上で必要とされた知識をWeb上に載せてみようと 思うようになりました.というのは,これからMewやXEmacsを使い始めようとしている方たちにとって 有益なことではないか,また,自分の知識を整理する上でも良い機会になるだろうと期待できたからです. この文書はこうした思いの下で,Mew & XEmacs初心者によって書かれています.
それでは,この文書の読み方を簡単に説明します.1 節は,MewやXEmacs とは何かを手短に説明してあります.すでにそれらを知っている方は,読み飛ばしても良いでしょう.Mew をとりあえず使えるようになるためには,2 節を読むだけで良いと思われます. 3 節以降は,ある程度,Mew に慣れたころに参照すると役立つように書いたつもりです. 参考文献は最後の節にあります.本書は,読者として,Mew や XEmacs を全く知らない方からそれらを始めて使う方を想定しています.もし,Mew や XEmacs に関して, もっと専門的なことが知りたいときは,どうぞそこであげた参考文献を参考にしてください.
Mewは,Messaging on Emacs World の略称 [1]で, その名の通りEmacs上で利用される MIME メールリーダです.Info (山本和彦 <kazu@iijlab.net>)を見ると, Mewの特長として以下のことがあげられています[1].
ここでは,MewをXEmacsで利用する場合を説明します.
XEmacs とは,Emacsの次世代版で, 見栄えが素晴らしく,とても便利なエディッタです [8][9]. 発音は `Eks eemax' です.GNU Emacs のほぼ全ての機能を受け継いでいるうえ,新しい機能も追加されています.また,最近のバージョンでは, Mewなどの外部パッケージが 「パッケージ」としてまとめられています. これは,各ユーザがそれらのパッケージを個別にアップデートしやすくするためです.
Mewの最新版はバージョン 4.2 です.最新βバージョンは 5.0.52 です[1]. Mew の公式 Web ページ から 取って来ることができます.その URL は, http://www.mew.org/ です. ただし,ここではバージョン3について説明を載せるつもりでいます. それ以外のMewにおいては,ここで書かれていることと使い方が異なる場合があると思います.ご注意ください.
XEmacs の最新版は 21.4 (patch 19) "Constant Variable" です. 最新ベータ版は 21.5 (beta27) "fiddleheads" です[8].それぞれ,
から取って来ることができます.ちなみに,XEmacs にも公式 Web ページが用意されていて, その URL は http://www.xemacs.org/ です.
Mew の FAQ とインストール方法は Mew の公式 Web ページにあります.URLは,それぞれ,
です.参考のために,Makefile の書き方の例として,Mew.Makefile と contrib.Makefile を公開します.contrib.Makefile は,ディレクトリ contrib 以下のファイルをコンパイルするためのもので,contrib の下に置かれることを想定しています.これらを利用される方は,それぞれ,ファイル名を Makefile に直して用いてください. ただし,"DO NOT EDIT THE FOLLOWINGS" 以下もいじっていますので,注意してください.
XEmacs の FAQは,XEmacs の公式 Web ページ にある FAQを見てください.インストールの仕方は, http://theo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/xemacs/xemacs-21.2.htmlが参考になると思います[13].また,メニューバーの
[Options] -> [Manage Packages] -> ...,
あるいは,XEmacs 21.4 以降においては,
[Tools] -> [Packages] -> ...
を選択することにより,パッケージのインストールが出来るようになっています. ftp://ftp.xemacs.org/pub/tux/xemacs/packages/ においてあるパッケージのMewのバージョンは 1.94.2 です.また,次節にありますように, Mew の公式 Web ページから Mew のソースを 取得することによってインストールすることも出来ます.メニューバーを使ってパッケージをインストーするときには,
C-x C-m l Ret English
C-x C-m f Ret nil
としておいてください.
目次: http://home.hiroshima-u.ac.jp/fukae/mew/mew1.html