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基本的には,日本語環境を整えたりMewのような外部プログラムを使うのではなければ, 何も設定をする必要はありません.初期設定をするときは,XEmacsの場合も, GNU Emacsと同じように,~/.emacs を用います. ただし,将来的には,~/.xemacs/init.el が初期設定用ファイルになるようです. 設定のために付属のサンプルを使っても良いでしょう.サンプルは以下のようにすると利用できます. 一度,~/.emacs の設定を何もせずに立ち上げてください.その後,メニューバーにある
[Help] -> [Sample] -> [Sample .emacs]
または,
[Help] -> [Sample] -> [Sample init.el]
を選択してください.このとき,今まで使っていた ~/.emacs に,これが上書きされないように注意してください. GNU Emacs と XEmacs を併用するためには,例えば,GNU Emacs 用の初期設定ファイルを .GNUemacs , XEmacs 用のオプション設定ファイルを ~/.xemacs/custom.el とした場合,まず,両者に共通する設定を ~/.emacs に書き加え,その最後に次のものを付け加えてください.
(if (featurep 'xemacs) (load "~/.xemacs/custom.el" nil t nil) (load "~/.GNUemacs" nil t nil))
そして,~/.GNUemacs に GNU Emacs 用の設定を,~/.xemacs/custom.el に XEmacs用の設定をそれぞれ書いてください. 先のサンプルの内容は,この場合,~/.xemacs/custom.el に書かれることになります.一方, XEmacs用の設定を場合で,もしあなたが GNU Emacs に対してのみ有効な初期設定をするときは,
(cond ((not (featurep 'xemacs)) (load "~/.GNUemacs" nil t nil)))
としましょう.もし XEmacs を立ち上げたとき GNU Emacs 用の設定ファイルを読み込むと, 不具合が生じる可能性があります.更に,XEmacs バージョン 21.4 以降 を使いたい場合は,~/.emacs ではなく,先程の ~/.xemacs/init.el に設定を書くようにしましょう.この場合,GNU Emacs の設定を ~/.emacs に書いておけば,GNU Emacs と XEmacs の共存ができます.また,バージョン 21.4 以降では, ~/.xemacs/custom.el があれば, XEmacsは ~/.xemacs/init.el を読んだ後それを読み込んでくれますので,そこに Mew のようなオプションの設定をすると良いです.以下では,~/.emacs と ~/.xemacs/init.el を区別せずに,~/.emacs と表現します.
Canna [16] で日本語が入力できるようにしたいときは,
(if (string< "21.2" emacs-version) (set-input-method 'japanese-canna) (select-input-method 'japanese-canna) )
を ~/.emacsに書いてください.この設定はXEmacsに対してのみ有効であり,GNU Emacs は この設定を理解できませんので注意してください.
[Help] -> [Sample]
には,~/.Xdefaults の設定の仕方のサンプルもありますので,その設定の際は参考にすると よいでしょう.
Mewをカスタマイズする上で,最も簡単な方法は, Mew の公式ページからとってきた tar アーカイブファイルに含まれている mew.dot.emacs を参照することです.例えば,
(autoload 'mew "mew" nil t)
(autoload 'mew-send "mew" nil t)
(setq mew-mail-domain-list '("domain of e-mail address"))
(setq mew-icon-directory "/usr/local/lib/xemacs/xemacs-packages/etc/mew")
3 行目の domain of e-mail address には,適当なメールアドレスのドメイン名を書いてください. 4 行目は,xpm ファイルが置いてあるディレクトリを示しています.さらに,リモートサーバから POP [23] を使ってメールを受信したり,リモートサーバに SMTP [23] を使ってメールを送信している場合は,
(setq mew-pop-user "POP account")
(setq mew-pop-server "POP server")
(setq mew-smtp-server "SMTP server")
の 3行も加えましょう.POP server, SMTP serverには, あなたが利用している POP サーバ名,SMTP サーバ名を入れいます.
Mew を使ってメールを出すとき,著名をメッセージの最後に付けたい方は,~/.sigunature という ファイルに,あらかじめ,著名の内容を記述していると便利です.
Mew を起動するためには,次の 2 つの方法があります.
("M-x" は,[ESC]キー を押した後 "x" を押すことを意味します."M-a" なども同様です.以下では, 説明なしにこれを用います.)
すると,2 匹のかわいい猫が現れます.
そして,その後,サマリーモードと呼ばれるモードになります.
リモートからメールを取得する場合は,パスワードの入力を求められるかも知れません.
Mewを中断したい場合は "q" を押してください.または,終了したい場合は "Q" を押してください. 中断したMewを再開したいときは,もう一度,"M-x mew" と入力すればO.K. です.
Mew を使ってメールを書きましょう.そのためには,"w" を押すか,ツールバーの "Write" ボタンをクリックしてください.すると,ドラフトモードになります.
例として,猫太郎 (E-mail address: neko@cat.xemacs.taro.jp) さんに,サブジェクトが "にゃん" の E-mail を送る場合を説明します.この場合,"To:" 行と "Subject:" 行に,それぞれ,
To: neko@cat.xemacs.taro.jp
Subject: にゃん
と書きます.本文は,"----" より下に書いてください.書くのを途中で止める場合は,"C-c C-q" と押してください. サマリーモードに戻ります.また,単にそれを中断したいときは,一旦セーブ ("C-x C-s") して, "C-x k" と入力してください.メッセージはフォルダ "+draft" に保存されます.再開したいときは, "+draft" に行って該当するメッセージのところで "E" を入力してください.
著名をつける場合,直接書くのも良いですが,先の ~/.sigunature を利用するのが簡単です. もしそのファイルが用意されているのならば,"C-x C-i" と押してみてください.~/.sigunature に書かれた内容が挿入されるはずです.(ここで,"C-x" は Ctrl キーを押しながら "x" を押すという意味です."C-i" なども同様です.以下では,特に断らずに,これらの記号を用います.)
さて,出来たメッセージを送信する段階に来ましたが,その前に, MIMEの作成をします.そのためには, "C-c C-m" と押すか,ツールバーの "queue" ボタンを押します.すると,サマリーモードに戻されるはずです. 次に,フォルダ "+queue" に移動してください.今書いたメッセージを見付けることができるはずです. つまり,どのようなメッセージが作成できたのか(Mew で見るときどのように表示されるのか) を確認できます.
この機能は「キュー」機能ですので,複数のメッセージを貯めることもできます. 貯めたメッセージを送信するためには "C-c C-c" をフォルダで入力してください. 貯めていた全てのメッセージが送信されます.また,新しいメールを取り込んだときも, これらのメッセージが全て送信されます.つまり, Mewを立ち上げるときや中断していたMewを再び立ち上げ直すときも,"+queue" フォルダのメッセージが全て送信されてしまいますので注意してください.取り込み時に自動的に送信される機能は, ダイアルアップを利用しているときに接続料金を節約するためのものです.ちなみに,この機能が特に必要ない方は,
(setq mew-auto-flush-queue nil)
として,この機能を無効にすることもできます.
以上は他人宛のメールですが,メールの送信の練習やテストのためには,(当然ですが) 自分宛にしてください.
受信したメールを取り込むためには,サマリーモードで,"i" を押すか"Check" ボタンを クリックしてください.すると,メールの一覧表に新しく来たメールが加わります.
読むためには,まず,カーソルを読みたいメールのところまで持っていってください. その後,スペースキーを押すか "Show" ボタンをクリックと,メッセージを読むことが出来ます. メッセージが長い場合,記事の上の部分のみしか表示されませんが,スペースキーを押すことに より,続きを読むことが出来ます.また,メッセージの上部をもう一度読み直したい場合や, ヘッダを見たい場合は,バックスペースを押してください.
"Next" ボタンをクリックすると次のメールに進み,"Prev" ボタンをクリックすると 前のメールに戻ります.キーボードからは,それぞれ,"n" と "p" を押すことにより これらの 2 つの操作をすることができます.
さらに,スレッド機能が使えます.例えば,サマリーモードの表示が日付順になっていたとします.
ここで "t t" を入力すると,各メッセージはスレッド毎にまとめられ,各スレッドは日付順に並びます.
サマリーモードにおいて,メッセージがどのような順になっていたとしても,各スレッド内では, メッセージが古いものから新しいものに追っていけるように表示されます.このとき,モードが, サマリーモードではなくバーチャルモードであることに注意してください. サマリーモードに戻るときは,このモードにて,"t t" を入力してください.
以上に伴い,"t t" の他にも,新しいコマンドが導入されました.例えば,"^", "&", "(", ")" です. これらを使えば,以下のようなことができます.
これらのコマンドは,"スレッド" モードだけでなく,サマリーモードでも使用できます.
受け取ったメールに返信するには,カーソルを対応するメールのところまで持っていき, "Reply" ボタンをクリックするか "a" を押してください.元記事を引用したいときは, その後,"Cite" ボタンをクリックするか "C-c C-y" を押してください.あるいは,"a" の代わりに "A" を入力してもいいです.すると,ウィンドウが 3 段に分かれます.
この一番下がドラフトモードとなります.引用の仕方が多少異なるかもしれませんが, カスタマイズの仕方によるものなので,気にしないでください.後は, 2.3.2. Send & Write の説明を参考にしてメールを 送信しましょう.
受け取ったメールを他の誰かに送信することを転送と言います.これを行うためのキーは "f" です.また,対応するツールバーのボタンは "Forward" ボタンです.これらの操作の うちどちらかを行えば,ツールバーに,"Attach here" などのアイコンが加わり,
ドラフトモードには 2 本の点線で上下を挟まれた "attachments" 領域ができます.
文字列 "attachments" を含む上の点線よりさらに上に,本文を書いてください.この後, MIMEを作成 (C-c C-m) すれば, 転送したいメールが,これから送信しようとしているメールに, 組み込まれていることに気付くでしょう.後は 通常の送信と同様です.
2.3.3. Readにおいて,メールの取り込み方を述べました.1 つや 2 つのメールのみを取り扱えば良い場合は,これで十分です.しかし,多量のメールを受信した場合, いつかメール捜査にてんてこまいになるでしょう.これを避けるためにどうすれば良いでしょうか. 答えはフォルダと呼ばれるグループごとにこれらのメールを振り分けることです. この操作をリファイルといいます.
リファイルをするには,"o" を押すか "Refile" ボタンをクリックしてください.すると,"Mew" は リファイル先のフォルダの候補を返します.もしその候補にあげられたフォルダで良ければ,そのまま "C-m" をして,違う名前のフォルダにしたい場合は,エコー領域に表示されている "+" の後に自分の 好みの名前を入力してください.たまに,
+from/neko doesn't exist. Creat it ? (y or n)
のように,Mewから質問を受けるときがあります.これは,指定したリファイル先のフォルダが,まだ, 存在しないときのものです.つまり,そのフォルダを新たに作って良いのかどうかを聞いています. もし答えが "Yes" ならば "y" を, "No" ならば "n" を,それぞれ入力してください.
以上の操作を終えると,
1o 11/04 Nekomaru (猫丸 にゃん
のように,数字の右にマーク "o" がつきます.実は,このままでは,まだリファイル されていません.実際のリファイルは,"x" が入力されたときなどに実行されます.
不要なメールを消すためには "d" を入力してください.この場合も, リファイルと同様に,マーク "D" が付くのみで,"x" などで実行しない限り,メールは削除されません.
さて,何らかの事情で,必要なメールに対して,"d" を押してしまうこともあります.このとき, "x" を押してしまったとき,メールが本当に削除されたら,ユーザは困ってしまいます. これを避けるために,実際に,実行してしまった場合でも,フォルダ +trash以外では, メールが本当に削除されないようになっています.通常のフォルダーでは,"削除" されたメールは, +trash に移動するだけです.+trash で実行して初めてメールが実際に削除されます.
以上では,メールを読む・書く・送受信するなど, Mew の基本的な操作の説明をしてきました. ここでは,もう少し賢くMewを使う方法を述べます.
まず,同一フォルダ内の複数のメール上で "@" を入力してください.すると左の方に "@" マークが付きます.
次に,大文字の "F" を入力してください.するとどうなりましたか.2.3.5 で説明されたような状態のドラフトモードになるはずです.ただし,格納されているメールが 複数になっていると思います.各メールは 上の"@" 付きのものです.以降,Send と同じようにすれば,それら複数のメールが転送されることになります.
マーク "@" は次のようなときにも利用されます. MIMEエンコードされたメールをMew で読むためにしなければならないことは,特にありません.一方, uuencodeされたメールを受信することがあるかもしれません.この場合,そのままでは読むことができません. 復号化するために,メッセージをセーブしてからコマンドラインから露わに uudecode することもできますが, マーク "@" を使った方法もあります.つまり,uuencode されたメッセージに "@" をつけ,"M-t" を入力するのです. すると,
Uudecode these messages? (y or n)
と質問されますので "y" と入力し,次に,例えば,
Diractory : ~/Mail/from/nyanta/
のようにメッセージが保存されるディレクトリの名前を聞いてきますので, 自分が希望するディレクトリの名前に書き換えてください.その後,いくつかの質問をされますが, その都度自分の都合に合わせて答えていってください.
以上の他に,マーク "@" は,分割されたメールを再統合する (J) ときなど, 複数のメールを一度に取り扱う必要があるときに 用いられます.
一方,Mewには,"*" というマークも用意されています.このマークを付けるためには "*" を入力してください. このマークが有用なのは,利用者がいちいち探さなくても, それがついているメールのみを選んで読むことができるということです.つまり, メールのレビューができます.(例えば, 今読んでいるメッセージを後でもう一度読みたい場合に,このマークを使います.) あなたの読みたい複数のメールにこれを付けてみてください.その後,大文字の "N" または "P" を入力してみましょう.どうでしたか? マークが付いていないメールを飛ばしてカーソルが移動すると思います.
マーク "*" も,マーク "@" と同様に,複数のメールを一度に取り扱うときにも用いられます.しかし, 用途は異なります.こちらは,複数のファイルを同じファイルにリファイルしたり, 削除したりするときに用います.入力キーはそれぞれ "m o" または "m d" です. それらを入力すれば,"*" マークが "o" または "D" に変わります.また,"m @" と入力することにより, 一度に,レビューマーク "*" をマルチマーク "@" に変更することができます.この最後の操作については, 逆操作があります.つまり,"m *" と入力することにより,同一フォルダ内の全ての "@" を "*" に変換できるのです.
マーク "*" を使った検索は次小節で説明します.
検索について説明します.これは,探しているメールを拾い出す方法です. レビューマークを利用する方法と仮想フォルダを利用する方法があります.
レビューマークと連係させた検索法を説明します.入力文字は "?" です. すると,
pick pattern:
と質問されます.例えば次のようにしてみましょう.
pick pattern: from=kazu
この場合,From: 行に "kazu" が含まれているメールに マーク "*" が付きます. レビューマークの取り扱い方は前小節で説明しました.
仮想フォルダを使った検索法もあります.実際のフォルダはMewを終了しても消失しませんが, 仮想フォルダは消えてしまいます.要するに検索のために作られた偽物のフォルダです.このためには "V" または "/" を入力してください.
Virtual folder name (virtual):
という質問をされます.これは仮想フォルダの名前を何にするのかを問うものです.標準は "virtual" です. 別の名前にすることもできます.仮に "virtual" としたときの仮想フォルダの名前は ++virtual になります. 以下,検索対象フォルダと検索パターンに対する質問をされますので,"*" と同様な要領で答えていってください. 最後の質問に答え終えたら,自動的に仮想フォルダに移動します.このときのモードは,サマリーモードではなく, バーチャルモードです.メール一覧は,先の検索パターンにマッチしたもののみになります.
バーチャルモードでもサマリーモードと同様な操作ができます.ただし,検索などはできません.
以上の 2 つの検索法を好みに合わせて使い分けると,Mewがとても使いやすくなります.是非使いましょう
目次: http://home.hiroshima-u.ac.jp/fukae/mew/mew1.html