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あなたの見えている世界 わたしに見えている世界 2
本文は憧太パパが数年前に、ある広報誌に投稿したものです

  彼女は言います。
「ある部屋を見ても、全体を一度に認識することができないのです。壁を見れば、壁のことは分かるのですが、他のことは分かりません。机を見れば、机のことは分かりますが、さっき見ていた壁についての情報はスーッと自分の中から無くなってしまい、机のことしか分からなくなるのです。部屋の部分部分が、テレビか写真のように見えるのです。人の顔を見ようとして、まず目を見ます。すると鼻は見えない。鼻を見ようとすると、目や口は見えなくなり、細分化された情報となるのです。体を全体見ることなど、非常に難しいことなのです。」

 また、講演会場を照らすスポットライトは照明1つ1つから"虹"のように見える強烈な光がいくつも出て、ドナの目の前は虹でいっぱいになるそうです。
  そして、会場の聴衆を見ると巨大なジグソーパズルのピースがバラバラに置かれているように見えるということでした。  

 冒頭にあげたような「見える、見えない」という例え話の世界が、ドナの感覚の世界では現実に繰り広げられているのです。ドナはそういった自分の視覚的世界のことを「クリムトの絵の中に住んでいるよう」と表現していました。

 「我々と違った感覚」は、視覚だけではありません。聞いたり話したりすることもそうです。「聴覚的なものも、全体としては入って来ません。聞こえているものが速くなったり、遅くなったりします。そして、何を言っているのか分からなくなります。座りたいですか?と言われても、それは言葉ではなく、"音"となり、意味もなくなります。当然、受け答えもすぐにはできません。その為、私は幼い頃は唖者ではないかと思われたりもしました。」と、ドナは語っていました。

 一般にドナたちのもつ障害、「自閉症」とは、

@ 人に対しての反応が全般的に欠如している。自閉症は他の人と情緒的な関係   がとりにくい。
A 言語および非言語性コミュニケーション手段の発達に障害がある。通常は言葉  の発達の遅れ、全く出てこない場合もある。言葉が出てきてもオウム返しや独   語、一方的な会話など言語をコミュニケーションの手段として、上手に使えない  などの障害が見られる。
B 行動や興味が限局されており、反復的、常動的である。           
                 (全日本特殊教育研究連盟編 自閉児指導のすべて)

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