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Episode T 3 退院に向けて |
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父と母が語る憧太物語 | |||||||||||||
憧太の容態は落ち着き、退院に向けていろいろと両親が覚えて帰らなくてはいけないことがあった。 まずは授乳の仕方。憧太は口唇口蓋裂のため普通にミルクを飲めない。プレートを口の中に入れて裂の部分をふさいで上げる必要がある。さらに心肺機能に障害があるため、長時間にわたってミルクを吸い続けることは、体力の消耗となる。その上、勢いよくミルクを飲めたとしても、それはそれで血中酸素濃度が低下する要因となり気をつけなければならない。したがって、哺乳瓶からの授乳に合わせて、鼻から胃袋へ入れられたチューブより、ミルクを流し込む方法を行わなければならなかった。 この子を家庭で看ることができるか・・。このまま病院に居たほうが安心であることは間違いない。しかし、幸せなことに、憧太の退院を家族、親戚、みんなが一日も早くと願っていてくれている。いくつもの障害を抱えたこの子の帰りをみんなで待っていてくれている。親も願う。早く退院を。 退院も間近。外科医と口や指の手術について見通しの持てる話がしたかった。やはり外見のこと、気になる。 喜びと不安、さまざまな思いを抱いたまま、10月11日退院する。 つづく
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