第17回 いろは会 平成十五年十月二十五日

         題「リアルに伝わるということ」   講師:伊藤敏昭

 

 

「リアルに伝わるということ」

@ 伊呂波の決闘

A 武蔵の真実

B 伝承の難しさ

C 伝承してみよう

D リアルに近い話をひとつふたつ

E これはどういう話だったのだろう

B 伝承の難しさ (伊藤説)

正確な伝承を邪魔するもの

@ 聞き手(読み手)、語り手の勘違い。

  ・ 登場人物や日付の勘違い

  ・ ストーリーそのものの勘違い

A 思い込み

  ・ 既存の似た話に当てはめて解釈してしまう

  ・その逆に「そんなわけないよ」と本当にあった不可解な出来事も消   してしまうこともある。

   ・ 語り手の伝えたいこと以上に誇張してしまう

B 不正確な記憶

   ・ 時間の感覚に関する記憶

   ・ 距離の感覚に関する記憶

   ・ 広さの感覚に関する記憶

   ・ その場に居合わせていたメンバーに関する記憶

C 歪曲・意図的な創作

D その他

まとめとしての引用

吉川英二

「ここでちょっと、朝日新聞の学芸欄で抗議された帝大の本位田祥男氏に物申しておくが、あなたは小説と歴史とを混同しておられる。又、史実というものを、よほど信仰的に思いすぎておられると思う。この前の拙稿でも露骨にいった通り、史書そのものからして実に玉石同盆という厄介なもので、滅多に鵜呑みにすると、苺と思って石を噛む事が少なくない」 (『随筆宮本武蔵』離郷 付本位田又八 六興出版・昭和32年)