★マサトを感じる旅(仮)・・・堺雅人さんのお芝居鑑賞レポ
「お父さんの恋 Family Tale」 2005年3月20日 東京公演パルコ劇場 18:30開場 19:00開演 1幕1時間20分 休憩15分 2幕1時間10分
チケット見てもらうとわかると思いますが、Y列なんですよ。普通Y列って言ったらアルファベットの1番後ろから2番目・・・って思うよね。チケット取ってくれたやよいちゃんもそう思ったらしい。けどパルコ劇場の座席表見てたまげました。どういうわけかX列が1番前で、Y列は2列目なのですよ。X・Y・Z・A・B・C・・・って順番なんですよ。何じゃそれー!と思うと同時に凄すぎ!!座席表見てさっきー、マジ椅子から落ちそうでしたわ。落ちて頭打つところでしたがな。
今の今までテレビのドラマでよく見かける、いわゆる有名俳優さん達のお芝居を生で見る事は一度たりともありませんでした。そういう機会に恵まれなかったというのもありますが。それが、初めて見に行くお芝居がよりにもよって2004年さっきーのハートを独り占めした山南さんこと堺雅人さん主演のお芝居だなんて、しかもしかもよりにもよって前から2列目の超ラッキー席??こいつぁ春から縁起がいいやってもんだ。人生初の出待ちってのもやっちゃうか?あわよくば写真撮影なんかしちゃったりして。こういう妄想大好きなので(笑)東京に行く前からかなり浮かれてました。ファンレターも書いたし、手土産に広島名物紅葉まんじゅうまで買うくらい張り切ってました。毎日毎日堺さん堺さんって言ってたので後輩いささかうんざり気味(いいじゃん、浮かれさせてくれい)
さてさて当日、パルコ劇場は渋谷にありまして、渋谷といえば公録で有名なスペイン坂スタジオ。前々から行ってみたかったので案内してもらったのですが、あんなに狭くて小さいところだとは正直思ってませんでした。今回のお芝居のでかい看板があったので記念に撮ってきました。これ写真じゃなく絵です。似てるようなにてないような・・・ってこれ著作権ひっかかるのかしら。ちょっとドキドキ。
★開演前の出来事
劇場前には出演者あての花がたくさん飾られてありました。大半枯れていたのがちょっともの哀しかった。正面には香取慎吾(近藤局長が山南さんあてに贈ったものだね)の花がでーんと置いてありました。あとは有名どころがちらほらと。ゴスは花贈ってないのかと探してみたもののどこにもなかった。付き合い長いのに冷たいじゃんかーと思いつつ上の方を見たら、会場には飾ってないけどその他に花を贈ってくれた方々リストみたいなのが壁に貼られてました。そこにゴスの名前もありました。花を飾るスペースは十分あるのに何でゴスの花飾らないんだ!ぷんぷん!(←さとう玉緒風)。撮影禁止だったのでその紙を撮れなかったのが非常に残念。売店では出演者が出ているお芝居DVDとパンフレットと何故かこのお芝居のイメージTシャツ見たいなのが売られてました。パンフのみ購入。パラパラとめくるとお髭の堺さんがドアップで微笑んでました。お髭のない時に写真撮ってもらいたかったなーとも思ったり。お髭があっても十分男前ですが。
前から2列目、真ん中グループの正面から見て左端ということでかなり前の方だぞと山南さん並みににやにやしながら席を探す。予想以上に劇場が狭く、舞台と座席が近いのにビックリ。前の人がいなければさらに余裕で堺さん見れるぞ、来ないでくれ前の人!!と願うものの開演10分くらい前にカップルが席に着く。ちっ。しかもさっきーの前には男性が座った。しかし!!その男性の後姿が「get
me on」の頃のUZYにそっくりなのだ。あまりにも似すぎているため笑いをこらえるのにかなり必死。その人が彼女と話す際横顔がチラリと見えるんだけど、耳から顎にかけてのラインもUZYに似ているのだ。偽UZYいや偽サカイ(酒井)がサカイ(堺)見に来てやがる(爆)。今思うとあの偽UZYは本物のUZYの生霊だったのかもしれない。
★ストーリー
海辺の近くに独り寝たきりの生活を送る杉本正樹(前田吟)。若くて心優しいホームヘルパーさおり(星野真里)のおかげで寂しさはなく、むしろさおりに恋心を抱き、悠々自適な老後を過ごしていた。そんなある日のこと、母親(星野真里の2役)の法事のために何年も家に戻ってこなかった無責任で勝手な3人の子供達(七瀬なつみ・菊池麻衣子・堺雅人)が戻ってきた。いつのまにか正樹のホームヘルパーが若いさおりに変わっていた事に驚く姉妹。得体の知れない若い女に父親の世話をされたくない美樹はさおりに辞める様強く責め立てる。しかし、今の今まで散々正樹をほったらかしておいて今更何を言うかとさおりも食って掛かる。そんなに自分の事が気に入らないのなら自分達で介護しろと反対に責め立てる。姉妹でどちらが介護するか言い争いを始める。子供の受験、仕事・・・あれやこれやのせいにするばかりで誰も介護しようという気がない。頭にきたさおりは正樹と結婚して一生面倒を見ると言い出したから話はさらにややこしくなる・・・という感じのホームコメディ。
★キャスト(役者名)キャラ設定やストーリー上のネタバレ
◇杉本正樹(前田吟):元建設会社勤務。妻とは死別。仕事人間で家族を省みず、その事を後悔している。海外出張に行った際、家族達にお土産買ってくるのはよいけれどどれもこれも偽ブランドなので家族からかなりの顰蹙を買っていた。センスのかけら全くなし。実はただの寝たきりではなく植物人間状態。自分の意思では何もできない。それだと観客に何がどうなっているのか伝わらないので(ただベットの中で寝ているだけの役なら前田吟でなくてもいいしね)心の声として出演者達との会話に参加したり、芝居もしている。2年前突然病に倒れ、そこから寝たきりに・・とされているが実は妻に死別され、子供達からも疎遠され淋しくて自殺を図り、それの後遺症で植物人間になったのだ。その事はお芝居の後半で正樹の遺書(自殺図る前に書いたとされる)を子供達が発見して、その時初めて父親が植物人間になった本当の理由を知るのであった。
◇武藤正子(七瀬なつみ):杉本家の長女。玉の輿に乗り、一人息子は有名私立校に通っていて、何不自由なく暮らしている(卒業してすぐ玉の輿に乗ったため社会に出て働いたことがない)。ブランド大好きマダム。ただ今不倫中で、不倫相手からの着メロは「恋人はサンタクロース」。旦那とは離婚協議中。不倫相手は歯科医なので離婚成立してその後の再婚でもまた玉の輿に乗るという何ともラッキーな人。自己中心でわがままだけど悪気は全くなし。かなり天然入っているが、高校時代はスケ番だった。
◇杉本美樹(菊池麻衣子):杉本家の次女。ネット通販会社の社長。仕事仕事で忙しい日々を過ごしている。頭がよくて正論を言う割には空回りして相手にされずしょっちゅうキレている。いささかヒステリック気味。着メロは「以心電信」。お父さんの事が大好きで尊敬していたため将来お父さんのようになりたいと頑張って頑張って社長になった。しかし信頼していた男性に騙され、会社のお金を持ち逃げされ、しかたなく家の権利書を盗んで補填しようと考える(お父さん植物人間なので権利書盗んでどうこうしてもバレないだろうと考えて)。美人の姉にコンプレックスを持っている。ダメ人間の弟には殴るなどすぐ喧嘩する(酷)。
◇杉本大樹(堺雅人):杉本家の長男で末っ子。大学中退後、フリーターでその日暮らしをしている。正樹が探してきた仕事も面接せずに勝手に断った為それがきっかけで疎遠に。「親父みたいな人間にはなりたくない」という捨て台詞を吐いて家を出る。パチンコで稼ぎ、生活に困ると短期のバイトをして何とか食いつないでいるという今流行のニートくん。高校時代に書いた小説が賞に選ばれ、小説家になろうと頑張るが即挫折。それ以来頑張らない人間となる。さおりが好みらしく、こっそり正子の指環(実はイミテーション)を盗んでそれをさおりに渡そうとするがあっさり断られる。
◇深谷さおり(星野真里):住み込みで老人介護をしている心優しいホームヘルバー。植物人間となり、話すことも何もすることができない正樹を誠心誠意で世話している。子供達に見捨てられた正樹を結婚という形で一生面倒見ると言うが、実は介護士の資格もない偽者で、両親の借金のせいで行き場を失ったところここにたどり着き、そのまま居座っていたのだ。
◇薮一平(池田成志):正子の小学校時代の同級生で隣に住んでいる町医者。正樹の主治医。怪しげな機械を発明するのが趣味。何かと正子に絡むのは正子に気があるからか?ちょっと変態ちっく。大樹とは仲良し。
★舞台
杉本邸。新婚家庭のようにちょっとメルヘンチックな洋館風の一軒家。庭には大きな桜の木。薮先生はいつも庭から家に入ってきます。桜の木付近に大きな落とし穴有。家の中には舞台正面から見て右側に介護用ベッド(当然の事ながら大半正樹はここで横になっている)。その隣には大きな全身用鏡(この鏡には正樹と美樹との泣かせる親子エピソード有)、奥にはキッチンなど台所廻り。天井にはシャンデリア。不釣合いなくらいでかくて立派なシャンデリアがあるのだが、それには正樹と正子の泣かせる親子エピソード有。メイン舞台はリビングルーム、その奥には玄関や他の部屋に続く廊下が見える。その左側に掘りごたつ。ここで大樹と薮先生が将棋したり、大樹とさおりが家族かるた(杉本家全員で作ったほのぼのかるた)をやったり。このこたつがさっきーの真正面にあったのだ。その奥には2階に続く階段が。左端には煙突のついた本物の暖炉が。この暖炉には正樹と大樹の泣かせる親子エピソード有。置いてある本や食器、さまざまな小物類も全て本物が置かれていた。唯一偽物だったのは、回想シーンの時に杉本家の家族全員が食べた朝食のパンのみ。
杉本邸の手前には段があって、通り道にはところどころ草が生えていた。さっきーの真正面(杉本邸でいえばこたつの前)には二人用のベンチが。これは外の風景。この道を正樹とさおりは毎日散歩しているのだ(車椅子で)。外での芝居、杉本邸内での芝居と場面場面によってかえているのだ。この外での芝居だと杉本邸より一段下、さらに観客席寄りなのでさらに出演者達が近くで見えるのだ。近いってもんじゃない。本当にすぐそこにいるのだ。正子役の七瀬なつみとさおり役の星野真里の顔がめちゃめちゃ小さいのにビックリ(美樹役の菊池麻衣子は外での芝居がなかったから舞台上から見ただけだがそれでも十分小さかった)。やはり女優は小顔じゃないとダメなのかしら。一番驚いたのは、2幕目。幕が上がってすぐ目の前のベンチに堺さんが座っていてパンを食べていたのだ。まさか幕開けてすぐそこに堺さんがいるとは思ってもいなかったので、思わず声出しちゃった←奇声を発したわけではないが小さく驚きの声をあげてしまった。さおりとの会話の際、口に入っていたパンのくずが口から落ちたのを見逃さなかった。今思えばあのパンくずを記念に持って帰ればよかったとほんのちょっと後悔(変態か)。
ラストの方で桜の花びらが舞台上からひらひら舞い降りてきて本当に桜っぽくて綺麗でした。適当に切った紙をばらまいているだけだと思ってたら本当に桜の花びらの形に切ってあったのです。あれだけの枚数切るの大変だっただろうなー。まさか堺さんは切るの手伝ってない・・・よね?記念に一枚花びら持って帰って今手帳にはさんでます。堺さんがちょこっとでも触れたかもしれないしね(ないない)
★ちょっとした感想
さっきーは昔から親子もののホームドラマが大の苦手でした。だって泣けるんだもん。意外と泣き虫さんなのでちょっとした事でもうるうるきちゃうのです。それが親子ものだとかなりきついです。このお芝居は現代の核家族や老人介護、遺産相続などなど実際にありそうな話を凝縮したものなので現実味があってそれ故に思い当たるところとかあったりすると即泣けてきちゃいます。もしかすると誰も泣いてない、泣き所ではないところで泣いていたかもしれない。しかもしかも、よりにもよって堺さんが自分の近くにいる時に泣いてしまったもんだからかなり恥ずかしかったです。泣き顔見られたくなかったよー。いや、もしかすると「こんなに泣いてくれるなんて・・・なんてピュアな人なんだろう」なーんて思ってくれたかな?それならそれで美味しいんだけどね。
堺さんは共演者さん達みんな背がそんなに高くない人ばかりだったせいかかなり背が高く見えました。公称172cmで、さっきーとは6cm弱しか変わらないはずなのに凄く背が高く見えました。高く見えた割には脚はそんなに・・・(禁句か?)。衣装がニートくん役だったせいかかなりダサかったです。黒のジャンパーの背中部分に椰子の木が描かれていて、しかもその椰子の木のライン上にはラメが。ジャンパーの下はオレンジのシャツと白のTシャツの重ね着、シルバーネックレス2つ、ベルトは派手な金具がついていてジーパンはよれよれ。服装から見てダメダメ人間でした。山南さんとはやはり別人でした(当然の事なんだけど)。武士姿でない堺さんをじっくり見るのは今回が初めてなのですが、TVや雑誌で見る堺さんと一緒でした。あのままでした。かっちょよかったけどさっきーの愛した山南さんではなかったです。わかってるよ、そんなこと、山南さんとは別人だってことくらいわかっている・・・けど・・・けどー(ちょっと泣いてみる)。
回想シーンで堺さんが小学3年生役をするのですが、赤帽に白シャツ、その後ろにはゼッケンが。あんな背の高い小学3年生いるんかというつっこみ有。椅子に座って足をバタバタさせたり、正樹に甘えるところが何ともお子ちゃまぽくて可愛かったです。
出演者の中で唯一知らなかったのが池田成志さんですが(無知でメンゴ)、舞台俳優さんで脚本とかも手がけているそうです。突然現れては邪魔して話をかき乱すという役どころだったのですが、常に笑わせてくれて、ゴスで言えばUZY的役割なのかなーとも思ってみたり。他の方々もみんなTVで見たまんま、ただ顔が小さかったってだけで。特に星野真里さんは若いのに堂々と演じてたなーと感心しきり。
このお芝居見る前に、サイトであれこれ調べていたら、横断幕を持った勘違いファンが何度か来ているという情報が。しかも「雅人LOVE」って書いてあるらしい。そういうキモ堺オタが来ているのか?もし自分がそんなオタと間違われたらどうしようと心配してましたが、そういう輩は見かけませんでした(気付かなかっただけか?)。マナーも比較的よかったと思います。後日また別の日にそのキモ堺オタ(かなりのおばさんらしい)は来ていて横断幕を持っていたらしい。コンサートとかイベントとかならそういうことやってもよいが、お芝居でそういうことはすんなよ。堺さん以外の出演者さんに対して失礼だろ。あと、背の低いおばさんファンがやたら多いとかも書かれてましたが、それは前田吟ファンではないのかとも思ったり。さっきーは堺さんファンではありますがオタではないし、背も低くないので(むしろ高いし)オタに間違われなくてよかったなと一安心。
このお芝居は広島では公演されないのでもう見ることはありませんが、お芝居がこんなに面白いものとは思わなかったのでもし今度別のお芝居で広島に来ることがあれば絶対行きたいと思います。確かに最初は堺さん目当てで堺さんの姿ばかり追ってましたが、途中から堺さんがすぐそこにいるにもかかわらず今しゃべっている役者さんの方に目がいきました。見ていてただのお芝居ではなく本当の家族に見えてきたのが凄かったです。さすが役者さん達だ。本当に言い経験しました。こんなよいお芝居をこんなよい席で見せてくれて本当にありがとう、やよいちゃん(多謝)
ちなみに、出待ちはやりませんでした。前日の疲れや、予想以上に近くで堺さんに会えただけですっごく満足しておなかいっぱいになったためそのまま帰りました。お土産に渡すはずだった紅葉まんじゅうはやよいちゃんにあげました。どうだった?広島名物紅葉まんじゅうのお味は?
堺さんはゴスとは違って広島に来ることなどそう滅多にないだろうから一生会えないものと思ってました。別に会えなくてもいいや、テレビで会えるからと思っていたのにこんな形で、すごく近くで見れて本当に本当によかったです。2005年の一番の思い出となりました。いや、その後にもっといい事が起きるかな?