捕鯨船Whale Catchers

 昭和10年代に始まった南氷洋捕鯨のため、母船とともに大量の捕鯨船が建造された。これらは戦時中ほとんど海軍の徴用を受け、第2線の貴重な戦力として活躍した。

第五拓南丸(日本水産:343総トン)

 1937年大阪鉄工所桜島で竣工。戦時中は第2南遣艦隊所属の特設駆潜艇として行動、終戦時残存。

Takunan maru No.5 (Nippon suisan, 343grt)  IJN Aux. Sub Chaser
Completed in Aug 1937.
Survived the war.

<作例について>
 「世界の艦船」に掲載された写真をもとに製作。緒戦期から改造が進んでスタイルがより軍艦的になっています。

Model: Takunan maru No.5 in about 1943. Loa=62mm.

第十一昭南丸(日本水産:350総トン)

 1938年大阪鉄工所築地で竣工。戦時中は特設駆潜艇として第6根拠地隊などを転戦、終戦時残存。

Shonan maru No.11 (Nippon suisan, 350grt)  IJN Aux. Sub Chaser
Completed in Aug 1938.
Survived the war.

<作例について>
 「学研歴史群像」に掲載された写真をもとに製作。特設駆潜艇の最終スタイルで、独特の迷彩塗装も目を引きます。

Model: Shonan maru No.11 at the end of war. Loa=62mm.

第六玉丸(大洋捕鯨:275総トン)

 1936年藤永田造船で竣工。戦時中は特設掃海艇として徴用、のち駆潜艇として行動。44年8月9日、父島沖で米潜の雷撃を受け沈没。

Tama maru No.6 (Taiyo Hogei, 275grt)  IJN Aux. Mine Sweeper later Sub Chaser
Completed in Sept 1936.
Torpedoed on 9 Aug 44 off Chichijima.

<作例について>
 特設掃海艇として改造完成した状態を製作。こじんまりした船に最低限の改造です。

Model: Tama maru No.6 at the start of war. Loa=58.5mm.

第十一京丸(極洋捕鯨:385総トン)

 1938年鶴見造船で竣工。1941年初頭から特設駆潜艇となるが、42年3月1日スービック湾で米軍機の攻撃を受け沈没。

Kyo maru No.11 (Nippon suisan, 343grt)  IJN Aux. Sub Chaser
Completed in Jan 1938.
Sunk on 1 Mar 42 in Luzon Island by US Aircraft.

<作例について>
 特設駆潜艇として改造完成の状態を製作。最も早期の改造船で、キャットウォークが残っているなどほとんど捕鯨船のイメージのまま。

Model: Kyo maru No.11 at the finish of her conversion. Loa=71mm.



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