作例収載巻リスト(続)

A serial of ship model in MODEL GRAPHIX 'See the World by Ship'

 拙稿記事は従来戦時中の日本輸送船に内容を絞っていましたが、第101回より扱う範囲を拡充することになり、タイトルも久々に変更しました。下記ラインナップもいちおう1からとしております。

 

1 「黒船」の巻 〜黒船から「坂の上の雲」へ〜 2010年11月号(通巻312号)
「サスケハナ」「ミシシッピ」「サラトガ」「プリマス」
USS Susquehanna, Mississippi, Salatoga and Plymouth (Yamato as extra); Model Graphix vol.312
'From sailing ship to ironclad #1'

 連載通算第101回からタイトルを「世界の舷窓から」に変更。最初の3回は「龍馬伝」や「坂の上の雲」にちなみ、帆船時代から日露戦争までの艦船発達史を概観した特別寄稿とする。第1回は英蘭戦争から黒船までの時代。作例としてペリー第一次訪朝時の4隻を再現した他、比較用として「大和」を製作。

2 「ウォーリア」の巻 〜鉄船の時代〜 2010年12月号(通巻313号)
「ウォーリア」「東」
HMS Warrior and Azuma; Model Graphix vol.313
'From sailing ship to ironclad #2'

 艦船発達史第2回は、日本の幕末から開国に至る時期を扱う。作例は初期の装甲艦から「ウォーリア」と「東(甲鉄艦)」。

3 「三笠」の巻 〜パックス・ブリタニカの黄昏〜 2011年1月号(通巻314号)
「三笠」「定遠」
Mikasa and Ting Yuen; Model Graphix vol.314
'From sailing ship to ironclad #3'

 艦船発達史第3回として、日清・日露戦争を扱う。作例は日清戦争の清国北洋水師と日露戦争の日本連合艦隊の旗艦揃い踏み。

4 「信濃丸」の巻 〜日露戦争と優秀船〜 2011年2月号(通巻315号)
「信濃丸」「常陸丸」
Shinano maru and Hitachi maru; Model Graphix vol.315
'Merchant ships in Russo-Japanese war'

 艦船発達史にちなんで、日露戦争時の優秀船2隻を紹介し、その背景と実績に対する評価を加える。

5 「相模丸」の巻 〜日本郵船S型〜 2011年3月号(通巻316号)
「相模丸」
Sagami maru; Model Graphix vol.316
'Nippon Yusen S class'

 フジミのS型の製作参考資料に徹した内容。直接的なキットの批評は最低限にとどめ、船に関する理解を深めていただくための概略とディテールアップに役立つ情報若干を掲載した。作例は筆者がこれまで作っていなかった唯一のS型ということで「相模丸」としている。

6 「エンパイア・モードレッド」の巻 〜連合軍量産貨物船(1)〜 2011年4月号(通巻317号)
「エンパイア・モードレッド」「暁天丸」
Empire Mordred and Gyoten maru; Model Graphix vol.317
'The allied wartime ocean tranps #1'

 イギリス伝統の不定期汎用大型貨物船が自国生産型から米国量産のリバティ型へと発展していく過程をたどるシリーズ。第1回は英国版ブロック建造方式のPF船「エンパイア・モードレッド」と、在来のY型を日本が接収した「暁天丸」の模型を製作。

7 「フォート・ヴァーチャーズ」の巻 〜連合軍量産貨物船(2)〜 2011年5月号(通巻318号)
「フォート・ヴァーチャーズ」「オーシャン・ヴィンテージ」
Fort Vercheres and Ocean Vintage; Model Graphix vol.318
'The allied wartime ocean tranps #2'

 イギリスの要請を受けてカナダとアメリカで生産された「ノースサンズ型」と呼ばれる不定期大型貨物船を紹介。作例はカナダ製「フォート・ヴァーチャーズ」と、日本潜水艦に撃沈されたアメリカ製「オーシャン・ヴィンテージ」。

8 「スティーブン・ホプキンス」の巻 〜連合軍量産貨物船(3)〜 2011年6月号(通巻319号)
「スティーブン・ホプキンス」「ジェレマイア・オブライエン」
Stephen Hopkins and Jeremiah O'Brien; Model Graphix vol.319
'The allied wartime ocean tranps #3'

 ノースサンズ型をさらに簡易化し、第二次大戦中の連合軍量産型輸送船の代名詞となったリバティ型を扱う。作例は独仮装巡洋艦との死闘で知られる「スティーブン・ホプキンス」(自作)と、現在レストア船が公開中の「ジェレマイア・オブライエン」(市販キット)。作例ページはカラー。

9 「デイモス」の巻 〜連合軍量産貨物船(4)〜 2011年7月号(通巻320号)
「デイモス」「サビク」「スタッグ」
Deimos, Sabik and Stag; Model Graphix vol.320
'The allied wartime ocean tranps #4'

 連合軍量産貨物船シリーズの追補版で、米海軍編入艦を主体にバリエーションを紹介している。作例は「呂103」に撃沈された「デイモス」、PTのキット「サビク(ザビック)」、タンカー版改造給水艦「スタッグ」。

10 「ホーネット」の巻 〜米海軍迷彩塗装(1)〜 2011年8月号(通巻321号)
「ホーネット」「ジュノー」
USS Hornet and Juneau; Model Graphix vol.321
'US Navy camouflage in WW2 #1'

 第二次大戦中の米海軍迷彩塗装の推移をまとめる。作例は典型的な1942年の迷彩「メジャー12改」の例として「ホーネット」と「ジュノー」を使用。

11 「デンヴァー」の巻 〜米海軍迷彩塗装(2)〜 2011年9月号(通巻322号)
「バックレイ」「ポープ」「ジャッカード」「デンヴァー」「ウィリアムJ・パティソン」「サンプソン」「キャノン級(1/350・1/700)」
USS Buckley, Pope, Jaccard, Denver, William J. Pattison, Sampson and Cannon class; Model Graphix vol.322
'US Navy camouflage in WW2 #2'

 米海軍迷彩の続編。代表的塗色である5−TM系迷彩色のシステムを解説するとともに、GSIクレオス「色の源」を使って再現する方法を紹介、カラーページを使って代表的メジャー3−シリーズのパターンであるMs31〜33/3dを例として見え方の違いを検証。グリーンメジャーやサイヤーシステムにも触れたうえ、艦船模型における空気遠近法の効果をトリックアート的カットでわかりやすく実証した。カラーを含めた3ページ構成に作例合計8隻という盛りだくさんの内容となっている。

12 「カサビアンカ」の巻 〜トゥーロン大脱出〜 2011年10月号(通巻323号)
「カサビアンカ」「マルスアン」「イリス
Casabianca, Marsouin and Iris; Model Graphix vol.323
'Escape from Toulon'

 第二次世界大戦のフランス海軍の悲劇を象徴するトゥーロン港の大自沈から逃げのびた「カサビアンカ」の活躍を軸に、当時のフランス潜水艦が置かれた境遇の一端を紹介。ラルスナルのキット「カサビアンカ」の他、「マルスアン」「イリス」といった商品未発売の貴重なアイテムも製作。

13 「ソクウ」の巻 〜地中海の連合軍潜水艦〜 2011年11月号(通巻324号)
「ソクウ」「ズィク」「パパニコリス」「O−24」
Sokol, Dzik, Papanikolis and O-24; Model Graphix vol.324
'Refugees in Mediterranean'

 ドイツの侵攻に伴って連合国側へ脱出した亡命政府軍の潜水艦の活動に焦点を当てた異色企画。作例としてポーランドの「ソクウ」「ズィク」、ギリシャの「パパニコリス」、オランダの「O−24」を、いずれもスクラッチで製作。

14 「プリンス・オヴ・ウェールズ」の巻 〜英海軍迷彩塗装(1)〜 2011年12月号(通巻325号)
「プリンス・オヴ・ウェールズ」「アンソン」「キング・ジョージ五世」
HMS Prins of Wales, Anson and King George V; Model Graphix vol.325
'Royal Navy camouflage in WW2 #1'

 第10・11回の米海軍に続き英海軍の迷彩を扱う。作例は「キング・ジョージ五世」級3隻を用い、1941年と42年の破形型迷彩、45年の標準型迷彩を並べてパターンの推移を一目でわかるようにしてある。

15 「キプリング」の巻 〜英海軍迷彩塗装(2)〜 2012年1月号(通巻326号)
「ウォーカー」「ウィンザー」「ボーディシア」「ヘスペラス」「キプリング」「オファ」「オベディエント」「パスファインダー」
HMS Walker, Windsor, Bordicea, Hesperus, Kipling, Offa, Obedient and Pathfinder; Model Graphix vol.326
'Royal Navy camouflage in WW2 #2'

 英海軍迷彩の実践編として、Mr.カラーを使った英海軍迷彩色の簡単レシピを用意。作例は各種迷彩の典型例として8隻の駆逐艦を製作し、破形型迷彩の理論を示した図やAFVとの接点でもあるマウントバッテン・ピンクの解説を付与している。

16 「関西丸」の巻 〜日本陸軍徴用船の迷彩〜 2012年2月号(通巻327号)
「関西丸」「山月丸」「山浦丸」
Kwansai maru, Yamazuki maru and Yamaura maru; Model Graphix vol. 327
'IJA camouflage to requisitioned ships'

 新資料をメインにまとめた日本陸軍徴用船の迷彩パターン実例集。上記作例3隻の他、「宏川丸」の水彩画、「日洋丸」「昭浦丸」「関西丸」の図面を掲載。参考までに英巡「ホーキンス」の塗装図も用意した。

17 「日栄丸」の巻 〜大戦末期の川崎型タンカー〜 2012年3月号(通巻328号)
「日栄丸」「厳島丸」
Nichiei maru and Itsukushima maru; Model Graphix vol. 328
'Kawasaki Tankers in late war'

 これまで拙稿でも扱っておらず、キット化もされていない大戦末期の川崎型タンカーを製作。フジミのキットから「日栄丸」を作ったほか、HPモデルの「厳島丸」をアップデート。「極東丸」の不思議な改造や地味に末期まで残っていた「黒潮丸」にも触れている。

18 「鳴門」の巻 〜「能登呂」型給油艦〜 2012年4月号(通巻329号)
「鳴門」「尻矢」
Naruto and Shiriya; Model Graphix vol. 329
'Notoro class fleet oiler'

 キット化されているがあまり扱う機会のなかった「能登呂」型給油艦について。蛇管格納所の装備など見落とされていた部分の再確認などを含む。作例はフルスクラッチの「鳴門」とキット素組の「尻矢」。

19 「カティ・サーク」の巻 〜帆船模型〜 2012年5月号(通巻330号)
「カティ・サーク」「ヴィクトリー」「日本丸(1/350・1/700)」「アメリゴ・ヴェスプッチ」
Cutty Sark, Victory, Nippon maru(1/350 and 1/700) and Amerigo Vespucci; Model Graphix vol. 330
'Sailing Ship model'

 「カティ・サーク」再公開にあわせ帆船のインジェクションキットの現状と展望を考察。作例はイマイ・アオシマの1/350を主体に各種取り交ぜて紹介。

20 「タイタニック」の巻 〜1/1200模型〜 2012年6月号(通巻331号)
「タイタニック」「クイーン・エリザベス2」「アイーダ」「羽黒」「吹雪型(1/700・1/1250)」
Titanic, Queen Elizabeth 2, Aida, Haguro and Fubuki class (1/700 and 1/1250); Model Graphix vol. 331
'1/1200 Ship model'

 「タイタニック」沈没100年にあわせ、1/1200〜1250キットによる商船模型市場の活性化を中心とした国内未開拓のコレクションブランドの将来性に言及。

21 「ブイスカヴィッツァ」の巻 〜駆逐艦の輸出1〜 2012年7月号(通巻332号)
「ブイスカヴィッツァ」「ブエノス・アイレス」「エートス」「イエラクス」
Blyskawica, Buenos Ayres, Aetos and Ierax; Model Graphix vol. 332
'Exporting Destroyer #1'

 単行本発売連動企画。主として大戦間の駆逐艦輸出市場の状況を紹介。1回目は英国製特集。作例のうちギリシャ海軍「エートス」級は、第一次大戦前の竣工時と大戦間の大改装後を揃えた。

22 「タシケント」の巻 〜駆逐艦の輸出2〜 2012年8月号(通巻333号)
「タシケント」「コカテーペ」「レジナ・マリーア」「ブージャ」
Tashkent, Kocatepe, Regina Maria and Burza; Model Graphix vol. 333
'Exporting Destroyer #2'

 駆逐艦輸出の後編はイタリアとフランスの建造艦を扱う。

23 「ファン・ゲント」の巻 〜駆逐艦の輸出3〜 2012年9月号(通巻334号)
「ファン・ゲント」「サンチェス・バルカイツェギ」「マルメ」「グレーンハルグ」
Van Ghent, Sanchez Barkaitsegui, Malmo and Greenhalgh; Model Graphix vol. 334
'Destroyers built by minor powers'

 駆逐艦特集の付随として、マイナーパワーの自国建造艦を集めてみた。主要国の技術供与を受けている場合の他、スウェーデンのようにほぼ独自設計のレベルのものもある。

24 「ツェサレヴィッチ」の巻 〜艦船のデザインと芸術〜 2012年10月号(通巻335号)
「ツェサレヴィッチ」「鳥海」「香椎」
Tsesarevich, Chokai and Kashii; Model Graphix vol. 335
'Art with ship's design'

 近代艦船のデザインとアール・ヌーヴォーからモダニズム、アール・デコに至る芸術活動との関連を思索した、きわめて独創的な回。作例のうち「鳥海」はNY2号掲載作例の転用。これ以外にアール・デコの画家カッサンドルが作った客船「ノルマンディー」のポスターの模写や、19世紀の貨物船「ターレット」、ドイツ貨物船「コメータ」の戦時迷彩、さらには管理人初の自動車であるシトロエンC6のイラストも使った。

25 「金龍丸」の巻 〜特設巡洋艦の装備〜 2012年11月号(通巻336号)
「金龍丸」「盤谷丸」
Kinryu maru and Bangkok maru; Model Graphix vol. 336
'Latest study on IJN Auxiliary cruiser'

 特設巡洋艦の装備に関する近年の研究状況をまとめてみた。「清澄丸」「有馬丸」「崎戸丸」の1939年改装用図面から調製した上面図を掲載し、あわせて同様の図面をもとに太平洋戦争開始時の状態を推定再現した「金龍丸」「盤谷丸」の作例を用意する構成。

26 「りおでじやねろ丸」の巻 〜特設潜水母艦の装備〜 2012年12月号(通巻337号)
「りおでじやねろ丸」「さんとす丸」「筑紫丸」
Rio de Janeiro maru, Santos maru and Tsukushi maru; Model Graphix vol. 337
'Latest study on IJN Auxiliary submarine tender'

 前回と同様のアプローチで特設潜水母艦の研究状況をまとめたもの。1/350「平安丸」の発売を念頭に置いた企画で、むしろこちらが本命。作例は新作2隻と既存の「さんとす丸」のアップデートで、1941年当時の詳細図面がある「りおでじやねろ丸」については図面も用意してかなり詳細な解説を加えている。

27 「安土山丸」の巻 〜戦時造船は成功か〜 2013年1月号(通巻338号)
「安土山丸」「大邦丸」
Azuchisan maru and Daiho maru; Model Graphix vol. 338
'Difficulty on Wartime Shipbuilding'

 日本の戦時造船はおおむね成功だったとする「戦時造船史」著者の主張が意味するものとその妥当性について検証。概ね書評プラスアルファの内容だが、久しぶりの長編記事で、書き手としては本連載の中でも屈指の難易度。外舷二号色について述べた付随コラムも重要。作例は2A型で海軍運送船として活躍したほぼ唯一の存在である「安土山丸」と、1C型ながらやや変則的な形状の「大邦丸」。

28 「平安丸」の巻 〜1/350特設艦船を作る〜 2013年2月号(通巻339号)
「平安丸」
Heian maru, Tenyo maru No.2 and I-21; Model Graphix vol. 339
'How to build 1/350 Heian maru'

 第26回の内容を踏まえ、発売間もないハセガワの1/350「平安丸」を製作。最新キットに容赦ない大改造を加えるだけでなく、このスケール特有のディテールに見合う説明的表現手段としてダイオラマを採用。付属として乙型潜水艦だけでなく特設給糧船「第二号天洋丸」も製作する大判振る舞いを敢行した。

29 「ビスマルク」の巻 〜独海軍迷彩塗装〜 2013年3月号(通巻340号)
「ビスマルク」「Z32」「Z39」
Bismarck, Z32 and Z39; Model Graphix vol. 340
'German Navy Camouflage in WW2'

 第二次大戦のドイツ海軍迷彩塗装概論。ファンが多いドイツ艦だがあまり知られていないコマンド・デシェンドの活動や、特徴的な商船迷彩にも触れる。作例は「ビスマルク」と駆逐艦2隻。

30 「リットリオ」の巻 〜伊海軍迷彩塗装〜 2013年4月号(通巻341号)
「リットリオ」「サエッタ」「フルット」
Littorio, Saetta and Flutto; Model Graphix vol. 341
'Italian Navy Camouflage in WW2'

 第二次大戦のイタリア海軍迷彩塗装概論。比較的新しい当地の文献をもとに商船の統一迷彩までカバーしたのはたぶん本邦初では。作例は「リットリオ」と駆逐艦・潜水艦。

31 「ヴェンチュアラー」の巻 〜潜水艦のフルスクラッチ〜 2013年5月号(通巻342号)
「ヴェンチュアラー」「アップホルダー」「ソクウ」「ズィク」
Venturer, Upholder, Sokol and Dzik; Model Graphix vol. 342
'Full Scratch Building on HMS U-V class'

 市販キットの細密化でますます扱いづらくなりつつあるフルスクラッチビルトを再評価しようという企画。今回は具体的作例として英海軍U・V級潜水艦を登用。

32 「Uボートのおまけ」の巻 〜アクセサリーパーツの再利用〜 2013年6月号(通巻343号)
「UボートVIIC・IXC型付属品」
Accessory wreck in Hasegawa U-Boats; Model Graphix vol. 343
'Recycle Scratch Buildind'

 ハセガワのUボートのキットについている沈船を利用し、付属品を有効に再利用しつつ、初心者ではやや工作が難しい艦首尾形状表現の難しさを軽減してスクラッチビルドを楽しもうという、ある意味本連載ならではの企画。作例の商船3隻とサンプルプラン6種はいずれも筆者オリジナルのフィクションデザイン。

32(特) 「神州丸」の巻 〜強襲揚陸艦〜 2013年6月号(通巻343号)
「神州丸」「あきつ丸」
Shinshu maru and Akitsu maru; Model Graphix vol. 343 (additional volume)
'Assault Landing Ship'

 特集関連記事で強襲揚陸艦開発史概説。作例の2隻は既存のもので、他に米国のLSD「ラシュモア」と前世紀の伊戦艦「イタリア」のイラストを掲載。

33 「アリス」の巻 〜植物艦名1〜 2013年7月号(通巻344号)
「クローバー」「アリス」「タイム」「バターカップ」
Clover, Alysse, Thyme and Buttercup; Model Graphix vol. 344
'Flower class corvets'

 軍艦に植物の名前をつけるという日本とイギリスに特有のセンスについて考察する。1回目は英海軍の「花」級コルヴェットだが、作例のモチーフとしてサイモン&ガーファンクルの名曲「スカボロー・フェア」に加え、家庭持ちのモデラーへの支援企画として女児向けアニメ「プリキュア」のキャラクターを選ぶという思い切った試みを採用。偶然このキャラクターの声優も別企画で登場し、夢の競演?が実現した。

34 「桜」の巻 〜植物艦名2〜 2013年8月号(通巻345号)
「桜」「菊」「松」「すいれん」
Sakura, Kiku, Matsu and Suiren; Model Graphix vol. 345
'Botanical name in IJN'

 前回に続き植物艦名に関する内容。日本初の植物艦名「桜」以降、それぞれの名称を仔細に眺めていくと独特の法則性が見えてきて興味深い。日本艦なので採用した名前のモチーフも「八重の桜」「御紋章」「奇跡の一本松」「親日家のモネ」などバラエティに富む。折しも「美保の松原」が富士山関連の世界自然遺産に選ばれるというニュースも。

35 「でりい丸」の巻 〜太平洋戦線のQシップ〜 2013年9月号(通巻346号)
「でりい丸」「アナカパ」
Deli maru and Anacapa; Model Graphix vol. 346
'Q-ship in the Pacific theater'

 「ネイビーヤード」23号の関連企画で、日本海軍が太平洋戦争で投入した唯一のQシップ(対潜囮船)「でりい丸」を扱う。参考作例として米海軍が太平洋戦線に投入したやはり唯一のQシップ「アナカパ」を製作。他にイラスト2枚。

36 「赤城丸」の巻 〜北方戦域の徴用船〜 2013年10月号(通巻347号)
「赤城丸」「野島丸」「ぼるねお丸」「浦塩丸」
Akagu maru, Nojima maru, Borneo maru and Urajio maru; Model Graphix vol. 347
'Latest study on Japanese requisitioned freighters in Northern Pacific theater'

 日本戦時輸送船関連の最新調査。「粟田丸」や「浅香丸」としてよく知られていた写真が実はいずれも「赤城丸」だったという衝撃的報告。他に米軍調査資料から判明した「野島丸」の意外な迷彩、陸軍輸送船の迷彩に関する追加資料と重要性の高い内容が揃っている。

37 「ボクサー」の巻 〜戦車揚陸艦〜 2013年11月号(通巻348号)
「ボクサー」「バチャケロ」「LST165」
HMS Boxer, Bachaquero and LST165; Model Graphix vol. 348
'Tank Landing Ship'

 第二次大戦戦車揚陸艦開発史概説。史上初の戦車揚陸艦「バチャケロ」の模型再現を試みたほか、LST1型「ボクサー」も自作。LST2型はピットロードのキットを英海軍供与型に小改造したもの。

38 「吹雪」の巻 〜駆逐艦史における特型〜 2013年12月号(通巻349号)
「吹雪」「ベドウィン」「ポーター」「ゲパール」「ニコロソ・ダ・レッコ」「Z20」
Fubuki, Bedouin, Porter, Guepard, Nicoloso da Recco and Z20; Model Graphix vol. 349
'Fubuki and her counterparts'

 特型駆逐艦のライバルといわれる各国の駆逐艦を実際に模型で並べるという、ありがちで意外と実現しない企画。必ずしも特型が大きな影響を与えたとは言えないことが多く、意外とサイズもばらばらで興味深い。いちおう本誌特集にも連動した内容。

38(特) 「間宮」の巻 〜給糧艦〜 2013年12月号(通巻349号)
「間宮」
Mamiya; Model Graphix vol. 349 (additional volume)
'Store Ship'

 本誌特集関連企画。給糧艦「間宮」の紹介がメインだが、英米の同種艦に言及した記事は珍しいのでは。作例も最終時をチョイス。イラストとして米「アークティック」と英「リライアンス」を収録。

39 「イースデイル」の巻 〜英海軍「谷」級給油艦〜 2014年1月号(通巻350号)
「イースデイル」「ブルームデイル」
Easdale and Bloomdale; Model Graphix vol. 350
'RFA Dale class oiler'

 艦艇ファンの間でもほとんど顧みられない英海軍の艦隊給油艦をとりあげた異色の内容。作例は東洋艦隊所属の2隻という意味では全く常識的なチョイスながら、33・34回に続き「プリキュア」にもかけていて一応アニメファン向けの要素も持っている(注:この回は前号の予告では宮崎駿特集関連の「安松丸」となっており、代替内容のためこのような措置をとったもの)。他に「デューデイル」のイラストを掲載。

40 「ラパーナ」の巻 〜CAM船とMAC船〜 2014年2月号(通巻351号)
「ラパーナ」「エンパイア・ムーン」
Rapana and Empire Moon; Model Graphix vol. 351
'CAM ship and MAC ship'

 日本の特TL船に相当するイギリスの商船改造型準空母MAC船と、運用上はその前身である射出機搭載商船CAM船を紹介。作例のうちMAC船「ラパーナ」は前回の「谷」級と準姉妹船に相当し、CAM船は「エンパイア・ムーン」のキットを修整しているが、いずれもほんの少しだけアニメ絡みの要素を含む。

41 「大瀬」の巻 〜拿捕油槽船〜 2014年3月号(通巻352号)
「大瀬」「江ノ嶋丸」「愛天丸」
Ose, Enoshima maru and Aiten maru; Model Graphix vol. 352
'Captured tankers'

 太平洋戦争中に日本海軍が拿捕し、陸海民で使われた船から、油槽船に焦点を絞っていくつか紹介したもの。作例のうち「大瀬」は前2回と同じくオーシャンタイプタンカーで、他に小型の2隻を製作、「鳳南丸」「朝嵐丸」「三楽丸」のイラストを掲載。

42 「グロワール」の巻 〜仏海軍迷彩塗装〜 2014年4月号(通巻353号)
「グロワール」「リシュリュー」「ゲパール」「デュモン・デュルヴィル」
Gloire, Richelieu, Guepard and Dumond d'Urville; Model Graphix vol. 353
'Camouflage for French Warships'

 迷彩塗装シリーズのフランス編。歴史的事情と情報面の制約から仏海軍に関する記述は最低限にとどめ、作例も第38回掲載の「ゲパール」を流用。むしろビジュアル的に興味深い自由フランス海軍のアメリカにおける迷彩塗装の個別例を重視し、「グロワール」など3作例を用意した。

43 「シュルクーフ」の巻 〜巡洋潜水艦〜 2014年5月号(通巻354号)
「シュルクーフ」「X1」「ノーティラス」「伊1」
Surcouf, X1, Nautilus and I-1; Model Graphix vol. 354
'Cruiser Submarines'

 第一次大戦末期に発生した巨砲搭載の大型潜水艦、通称「巡洋潜水艦」の潜水艦史上における位置付けを確認する。作例は英米仏の3隻のフルスクラッチに比較対象として日本の「伊1」を使用。

44 「U9」の巻 〜第一次大戦のドイツ潜水艦〜 2014年6月号(通巻355号)
「U9」「U43」「U139」「UB68」
U9, U43, U139 and UB68; Model Graphix vol. 355
'German Submarines in WW1'

 第二次大戦艦と比べて圧倒的に文献資料が少ない第一次大戦のUボートをまとめた回。作例は緒戦の大戦果で有名な「U9」、戦後日本に引き渡された「U43」、日本の巡潜型のルーツとなった「U139」、第二次大戦時のドイツ潜水艦隊司令官カール・デーニッツが艦長を務めた「UB68」と有名なものばかり。

45(特) 「Z1」の巻 〜第二次大戦のドイツ駆逐艦〜
「Z1」「Z3」
45    「ZH1」の巻 〜第二次大戦のドイツ駆逐艦(鹵獲艦)〜 2014年7月号(通巻356号)
「ZH1」「ZF2」「ZG3」
Z1, Z3, ZH1, ZF2 and ZG3; Model Graphix vol. 356
'German Destroyers in WW2'

 特集関連記事でドイツ駆逐艦を製作。特集ページは「Z1」「Z3」のフルスクラッチ。レギュラーページは「ZH1」が同左、「ZF2」はアオシマ旧版「陽炎」型から、「ZG3」はタミヤ「E級」からそれぞれ改造。なお、当月号にはこれ以外に「明石」「神州丸」「あきつ丸」「陸軍潜航輸送艇(まるゆ)」を掲載。

46 「T28」の巻 〜第二次大戦のドイツ水雷艇〜 2014年8月号(通巻357号)
「メーヴェ」「T1」「T28」
Moewe, T1 and T28; Model Graphix vol. 357
'German Torpedo Boats in WW2'

 前回の続編だが、内容は第一次大戦からのドイツ水雷艦艇史を踏まえてドイツ特有の水雷艇と駆逐艦の類別に対する考え方を理解しようとするものになっている。作例はいずれも工房飛龍の年代物のレジンキットを利用した。

47 「SP1」の巻 〜第二次大戦のドイツ計画水雷艦艇〜 2014年9月号(通巻358号)
「SP1」「Z46」
SP1 and Z46; Model Graphix vol. 358
'German planned torpedo vessels in WW2'

 これも45回の続編で、計画のみ、または未完成に終ったドイツ水雷艦艇をまとめたもの。作例は駆逐艦から発展した偵察巡洋艦「SP1」のフルスクラッチと、36型系の最終発展型である36C型「Z46」の2隻としているが、他にも戦前・戦時の計画艦の図面を複数用意し、ドイツ駆逐艦・水雷艇の裏発達史がひととおり概観できる内容となっている。

48 「アトランティス」の巻 〜ドイツ仮装巡洋艦〜 2014年10月号(通巻359号)
「アトランティス」「トール」
Atlantis and Thor; Model Graphix vol. 359
'German Auxiliary Cruisers'

 ドイツ仮装巡洋艦・通商破壊艦史。作例は「アトランティス」と旧連載時の「トール」で第二次大戦のものだが、本文とリストでは第一次大戦のものまで包含して扱っており、資料的にユニークなものとなっている。

49 「ニューオーリンズ」の巻 〜艦船模型でたどるジャズ発達史〜 2014年11月号(通巻360号)
「ニューオーリンズ」「ピッツバーグ」「ハンコック」
New Orleans, Pittsburg and Hancock; Model Graphix vol. 360
'Overview to jazz history with ship model'

 艦船模型と絡めてジャズの話をするという非常に娯楽色の強い内容で、まさしく本連載ならでは。作例はジャズにゆかりの深い名前だけで選んでおり、いずれも既存キットの素組かそれに近いもの。「ピッツバーグ」は「ボルティモア」から改造している。

50 「君川丸」の巻 〜アオシマの「君川丸」(1)〜 2014年12月号(通巻361号)
「君川丸(キット・フルスクラッチ)」
Kimikawa maru; Model Graphix vol. 361
'Kimikawa maru New Tool 1'

 アオシマから発売された待望の「神聖君国」新版の検証。久々のカラーページで実船写真も掲載しながらディテールアップのための情報整理をしておく。この回は管理人の過去作例とキットのエッチングパーツ仕様をそのまま組んだものを使用。

51 「宏川丸」の巻 〜アオシマの「君川丸」(2)〜 2015年1月号(通巻362号)
「宏川丸」「国川丸」
Hirokawa maru and Kunikawa maru; Model Graphix vol. 362
'Kimikawa maru New Tool 2'

 前回の続きで模型づくりの実践編。ディテールアップ作例として「国川丸」を製作したほか、類似船への改造例として「宏川丸」を紹介。この回もカラーページ。連載通算151回目で第1回のタイトルシップが再び回ってきたことになる。

52 「はわい丸」の巻 〜「間宮」キットの利用〜 2015年2月号(通巻363号)
「はわい丸」「ありぞな丸」「間宮」
Hawaii maru, Arizona maru and Mamiya; Model Graphix vol. 363
'Conversion from Mamiya'

 ピットロード「間宮」を利用して実艦のタイプシップと目される「はわい丸」型を製作。あわせて船体形状の修整やカウンタースターンのパネリングの方法を説明。なお「ありぞな丸」は以前扱った際「世界の艦船別冊 日本の客船1」の記載ミスを拾って寸法を誤っていたため訂正した。

53 「あきつ丸」の巻 〜「あきつ丸」の考証〜 2015年3月号(通巻364号)
「あきつ丸」
Akitsu maru; Model Graphix vol. 364
'Study on Akitsu maru'

 最近急に有名になった「あきつ丸」について、「日の丸船隊ギャラリー」で誌面をとらなかった最終時を中心に追加考証を実施。久しぶりに1隻作例で図面に重点を置いている。

54 「知床」の巻 〜砲塔運搬艦〜 2015年4月号(通巻365号)
「知床」「樫野」「蜻洲丸」
Shiretoko, Kashino and Seishu maru; Model Graphix vol. 365
'Gun Turret Carrier'

 「樫野」のキット発売で脚光を浴びた砲塔運搬艦を取り上げる。「知床」「蜻洲丸」はスクラッチ。「樫野」は喫水調整などのディテール変更を実施。

55 「尾上丸」の巻 〜特設給兵船〜 2015年5月号(通巻366号)
「尾上丸」「鳴門丸」
Onoe maru and Naruto maru; Model Graphix vol. 366
'IJN Ammuition Supply Ship'

 「樫野」が分類されていた給兵艦の実態。作例のうち「尾上丸」は1942年3月の実船写真をもとに重巡「羽黒」の作例と並べた写真も添付している。

56 「さんくれめんて丸」の巻 〜中速タンカー〜 2015年6月号(通巻367号)
「さんくれめんて丸」「さんるいす丸」「宝洋丸」
San Clemente maru, San Luis maru and Hoyo maru; Model Graphix vol. 367
'Middle Speed Tanker'

 川崎型をはじめとする高速タンカーに対して脚光を浴びる機会が少ない一般型タンカーの状況を概観する。「さんくれめんて丸」は以前船の科学館で公開されていた「さんぺどろ丸」の模型(実際の造形は本船)、「さんるいす丸」は沈没時の米軍機ガンカメラ映像、「宝洋丸」は姉妹船「海城丸」の公式図と開戦直前・戦時中の本船写真を資料として採用。

57 「コサトット」の巻 〜T2型タンカー〜 2015年7月号(通巻368号)
「コサトット」「セベク」
Cossatot and Sebec; Model Graphix vol. 368
'USMC Type T2 Tanker'

 姉妹船500隻以上が建造されてリバティ船に次ぐアメリカ戦時造船の要となったT2型を紹介。作例の「コサトット」はルースキャノンのレジンキット、「セベク」は自作。

58 「シマロン」の巻 〜T3型タンカー〜 2015年8月号(通巻369号)
「シマロン」「ミシシネワ」
Cimarron and Mississinewa; Model Graphix vol. 369
'USMC Type T3 Tanker'

 日本の川崎型に対抗する米海軍主力艦隊給油艦「シマロン」級を扱う。作例は1番艦「シマロン」と回天攻撃で失われた「ミシシネワ」。「ネオショー」に関する考証の混乱にも触れている。

59 「モニター」の巻 〜モニター艦〜 2015年9月号(通巻370号)
「モニター」「メリマック」「ピューリタン」
Monitor, Merrimack and Puritan; Model Graphix vol. 370
'The Monitor'

 近代戦艦史の起点として扱われることの多い「モニター」の造艦史上の位置付けを復習し、モニターと呼ばれる艦種の分類法の特徴を洗い直す。「モニター」「メリマック」はフェアリー工房の2隻セットのレジンキット、「ピューリタン」は自作。

60 「ノブゴロド」の巻 〜小艦巨砲主義〜 2015年10月号(通巻371号)
「ノブゴロド」「東」「鎮東」「厳島」「M1」
Novgolod, Azuma, Chinto, Itsukushima and M1; Model Graphix vol. 371
'Big Gun on Small Hull'

 海戦の主役が大艦巨砲主義に傾いた時代、時流に反するように巨砲を積んだ小型艦も出現した。その様々な事情を紐解いてみる。「厳島」はシールズのインジェクション、「ノブゴロド」はコンブリックのレジン。「東」は再登場。他に「孟春」のイラストを掲載。

61 「ロイヤル・サヴリン」の巻 〜前ド級戦艦1〜 2015年11月号(通巻372号)
「ロイヤル・サヴリン」「カノーパス」「三笠」
Royal Sovereign, Canopus and Mikasa; Model Graphix vol. 372
'Pre-Dreadnoughts #1'

 戦艦の一時代を築いたグループでありながら、「ドレッドノート」のお膳立てぐらいに見られがちな19世紀末期から20世紀初頭にかけての戦艦群を概観する。「ロイヤル・サヴリン」は「富士」、「カノーパス」は「三笠」のキットから改造。

62 「ジョーレギベリー」の巻 〜前ド級戦艦2〜 2015年12月号(通巻373号)
「ジョーレギベリー」「ヴァージニア」
Jaureguiberry and Virginia; Model Graphix vol. 373
'Pre-Dreadnoughts #2'

 イギリス・日本以外の前ド級戦艦の状況をまとめる。「ジョーレギベリー」は自作、「ヴァージニア」はNIKOモデルのレジンを改造。他に「ヴェルト(独)」「クニャージ・スワロフ(露)」のイラストなどを掲載。

62(特) 「速吸」の巻 〜空母からの分岐〜 2015年12月号(通巻373号)
「速吸」「風早」「しまね丸」
Hayasui, Kazahaya and Shiname maru; Model Graphix vol. 373
'Chimera carrier'

 MG特集と連動した記事で、「速吸」をめぐる日本海軍の事情をまとめたもの。「速吸」「しまね丸」は以前の作例で、「風早」が新作。他に「鷹野」のイラスト。

63 「ロード・ネルソン」の巻 〜準ド級戦艦〜 2016年1月号(通巻374号)
「ロード・ネルソン」「ダントン」
Lord Nelson and Danton; Model Graphix vol. 374
'Semi-Dreadnoughts'

 「ドレッドノート」の前段階にあたる巨砲混載戦艦について。作例はいずれも自作だが、後に揃って1/350でインジェクションキット化された。「香取」のイラストも掲載。

64 「リベッチオ」の巻 〜イタリアの水雷艦艇〜 2016年2月号(通巻375号)
「リベッチオ」「ニコロ・ツェーノ」「セベニコ」「アウダチェ」「アリエーテ」
Libeccio, Nicolo Zeno, Sebenico, Audace and Ariete; Model Graphix vol. 375
'Italian Destroyers and Torpedo Boats'

 これも実質的には「艦これ」関連の企画で、イタリア水雷艦艇を構成するいくつかの要素に対応する作例を用意。「アウダチェ」はラーセナル、「アリエーテ」はレジアマリーナのレジン、その他は自作。

65 「浅香山丸」の巻 〜輸送船による陸軍部隊の輸送〜 2016年3月号(通巻376号)
「浅香山丸」「エンパイア・モードレッド」
Asakasan maru and Empire Mordred; Model Graphix vol. 376
'Transporting Army Units'

 陸軍部隊、特に戦車などの重量物を海上輸送する際の具体的なプラクティスを、作例と図版多数を交えて概説したもの。作例はいずれも過去製作ながら、「浅香山丸」は実船写真に基づき修整を加え、最終時のディテールをより正確に再現している。

66 「呉軍港昭和埠頭」の巻 〜情景ストラクチャー〜 2016年4月号(通巻377号)
「呉軍港昭和埠頭」「クレーンセット」「戦艦 造船所セット1」「横須賀軍港」「魚雷艇基地」
Kure NYd Showa Quay, Harbour Set, WW2 Military Shipyard Buildings and Equipments Set 1, Yokosuka NYd and McHale's Navy PT Boat Base; Model Graphix vol. 377
'Diorama Structures'

 艦船ではなく情景模型用の各種ストラクチャーやダイオラマキットを紹介した異色の回。「呉軍港昭和埠頭」はトミーテックの技MIXに由来する再販品、「クレーンセット」はおなじみ静岡模型教材協同組合。「戦艦 造船所セット1」はバーリンデンの輸入エッチングセット。「横須賀軍港」はフジミの1/3000旧作リバイバルだが、人気が出てシリーズ化。「魚雷艇基地」はルースキャノンのキットで、テレビ番組をモチーフにした1/700レジン製ダイオラマキット。

67 「大郁丸」の巻 〜太平洋戦争末期の民需船武装状況〜 2016年5月号(通巻378号)
「大郁丸」「樫丸」
Daiiku maru and Kashi maru; Model Graphix vol. 378
'Armament of late war Civilian Merchant Ships'

 大戦末期の民需船武装状況を調査した当時のリストを公開した資料的価値の高い回。作例は戦時標準2A型「大郁丸」と2E型「樫丸」。あと1隻用意していた「日ト丸」は第122回へ。

68 「赤城」の巻 〜三段空母の計画過程〜 2016年6月号(通巻379号)
「赤城(第1案・第2案・完成時)」
Akagi (Plan 1, Plan 2 and Final Fitting); Model Graphix vol. 379
'Design Process for Triple Flight Deck Carrier'

 結果的に失敗作の烙印を押された「赤城」型の三段空母コンセプトはどのような過程で決まったのか、実際に途中の計画案を立体化して過程を検証する。完成時のキットを3隻用い2隻を改造している。

69 「フューリアス」の巻 〜空母時代の夜明け〜 2016年7月号(通巻380号)
「フューリアス」
Furious; Model Graphix vol. 380
'A Dawn of Aircraft Carrier'

 全通甲板式の航空母艦が登場するまでの過程をまとめる。作例は「フューリアス」の自作品。この船はむしろ「ガールズ&パンツァー」で有名になった。

70 「PT109」の巻 〜魚雷艇史1〜 2016年8月号(通巻381号)
「PT1」「PT41」「PT109」「PT223」
PT1, PT41, PT109 and PT223; Model Graphix vol. 381
'Torpedo Boats #1'

 世界の魚雷艇史を4回シリーズでまとめた、ありそうでなかなかない企画。第1回は注目度の高い米魚雷艇。作例のうち「PT1」の自作以外はピットロードの魚雷艇セットを利用し、2隻を改造している。

71 「MTB236」の巻 〜魚雷艇史2〜 2016年9月号(通巻382号)
「MTB236」「CMB65A」「実験滑走艇」「MAS505」
MTB236, CMB65A, Versuchsgleitboot and MAS505; Model Graphix vol. 382
'Torpedo Boats #2'

 魚雷艇史その2は、第一次大戦の魚雷艇黎明期からからイギリス・イタリアの第二次大戦時の状況にかけて。タイトルのMTB以外は自作。

72 「S14」の巻 〜魚雷艇史3〜 2016年10月号(通巻383号)
「S14」「S100」「125号」「第538号」
S14, S100, 125 and No.538; Model Graphix vol. 383
'Torpedo Boats #3'

 魚雷艇史その3は、ドイツ・ソ連・日本の魚雷艇。ドイツの2隻はピットロードのキットとその改造、その他は自作。

73 「S56」の巻 〜魚雷艇史4〜 2016年11月号(通巻384号)
「S56」「MS22」「MTB629」「MTB74」
S56, MS22, MTB629 and MTB74; Model Graphix vol. 384
'Torpedo Boats #4'

 魚雷艇史その4は第二次大戦の魚雷艇戦史。特にドイツSボート部隊に紙面を割いており、戦術解説図や人物画も交えた誌面構成となっている。「S56」「MTB74」は改造、他2隻は自作。

74 「昭浦丸」の巻 〜上田毅八郎戦史1〜 2016年12月号(通巻385号)
「神州丸」「那古丸」「ぶえのすあいれす丸」「昭浦丸」
Shinshu maru, Nako maru, Buenos Ayres maru and Akiura maru; Model Graphix vol. 385
'Ueda Kihachiro #1'

 2016年他界した艦船模型イラストの第一人者・上田毅八郎氏の戦歴を模型とともにたどる追悼企画。作例のうち「昭浦丸」が今回の新規製作。「神州丸」は舟艇母船と同名の一般貨物船。他に「高島丸」の図面。

75 「みらん丸」の巻 〜上田毅八郎戦史2〜 2017年1月号(通巻386号)
「悠紀丸」「みらん丸」「SS第3号」「金華丸」
Yuki maru, Milan maru, SS No.3 and Kinka maru; Model Graphix vol. 386
'Ueda Kihachiro #2'

 上田毅八郎氏が戦時中乗船した輸送船の模型とともにその戦歴をたどる後編。「悠紀丸」「みらん丸」が新作、その他は過去作例。誌面では上田氏作のボックスアートイラスト「鹿島(アオシマ旧版)」「神川丸(アオシマ)」「阿賀野(タミヤ)」も掲載。

76 「カナリアス」の巻 〜比較ブス艦論〜 2017年2月号(通巻387号)
「シュルクーフ」「タリー・ホー」「キルデアリー」「バックレイ」「扶桑」「カナリアス」
Surcouf, Tally Ho, Kildary, Buckley, Fuso and Canarias; Model Graphix vol. 387
'The Shapelesses'

 軍艦とは格好いいものという通念に当てはまりそうにない「ブス艦」についての不毛な?考察。「タリー・ホー」「キルデアリー」「カナリアス」は自作、「扶桑」は1938年版のキット。他に比較用として「デルフィム(ポルトガル潜水艦)」「山城」「ケント」のイラスト。

77 「鞍馬丸」の巻 〜大戦間の造船技術〜 2017年3月号(通巻388号)
「鞍馬丸」「白馬山丸」
Kurama maru and Hakubasan maru; Model Graphix vol. 388
'Shipbuilding Technology in Inter-war Period'

 大戦間の不況期を乗り切るための技術革新は、時に特異な船を生み出した。煙突のない船「鞍馬山丸」と鉄骨タワーマストを装備した「白馬山丸」を製作。他に日本ではあまり知られていないコルゲートハルやアークフォームの船体形状も紹介。

78 「高瑞丸」の巻 〜日本海運界と用船〜 2017年4月号(通巻389号)
「高瑞丸」「桑港丸」
Kozui maru and San Francisco maru; Model Graphix vol. 389
'Shipping Operater'

 造船史だけではわかりづらい海運事情として用船市場があげられる。日本の大手用船会社である太洋海運、山下汽船、大同海運について解説。作例はいずれも自作。他に「広隆丸」のイラスト。

79 「鷺」の巻 〜鳥の艦名〜 2017年5月号(通巻390号)
「鷺」「イーグレット」「ピンテイル」「フィンチ」「ファルク」
Sagi, Egret, Pintail, Finch and Valk; Model Graphix vol. 390
'Bird Name'

 映画「この世界の片隅に」とリンクしたネタで、艦艇に採用された鳥の名前についての随筆的記事。「鷺」はピットロードのキット、「イーグレット」は本連載の単行本で先行掲載されたシールズモデルの河川級フリゲート改造。他3隻が自作で、「フィンチ」「ファルク」は「日本海軍小艦艇ビジュアルガイド2」用作例の事前調達という目的もあった。

80 「水凪丸」の巻 〜陸軍の戦闘艦艇〜 2017年6月号(通巻391号)
「水凪丸」「照海丸」「暁征丸」「第一興南丸」
Mizunagi maru, Shokai maru, Gyosei maru and Konan maru #1; Model Graphix vol. 391
'IJA Small Combatants'

 本来は海軍が担うべき海上護衛の役割を陸軍が自らの戦力で負う例があった。陸軍の戦闘艦艇ともいうべき攻潜艇、強力曳船名義の砲艇、鹵獲砲艦、徴用自衛船を、乏しい資料を活用しつつ模型化し、実態を探る。

81 「フロレス」の巻 〜ノルマンディー上陸作戦支援〜 2017年7月号(通巻392号)
「フロレス」
Flores; Model Graphix vol. 392
'Fire Support on Normandy Landing'

 史上最大の作戦と呼ばれるノルマンディー上陸作戦の艦砲射撃支援は意外と薄弱だった?参加兵力と作戦実施の状況をまとめる。作例は「フロレス」のみで、砲撃参加艦すべてのシルエットを含む地図を用意したが、誌面ではほとんど判別できない・・・。

82 「マッコーレイ」の巻 〜米海軍の揚陸戦艦艇1〜 2017年8月号(通巻393号)
「マッコーレイ」
McCauley; Model Graphix vol. 393
'US Amphibious Transports #1'

 膨大な兵力を誇る米海軍揚陸戦艦艇の中心的存在であるAPAとAKAについて3回シリーズでまとめた。1回目は攻撃輸送艦APAの出現に至る過程。作例はガダルカナル上陸作戦の旗艦として知られる「マッコーレイ」。

83 「アルキバ」の巻 〜米海軍の揚陸戦艦艇2〜 2017年9月号(通巻394号)
「アルキバ」
Alchiba; Model Graphix vol. 394
'US Amphibious Transports #2'

 米揚陸戦艦艇シリーズの第2回は、APAとセットの存在である攻撃貨物輸送艦AKAと、それらの供給の裏付けとなる米海事委員会の造船管理について。作例はガダルカナルで甲標的に撃破された「アルキバ」。

84 「ハスケル」の巻 〜米海軍の揚陸戦艦艇3〜 2017年10月号(通巻395号)
「ハスケル」「ハンスフォード」「ボーグ」
Haskell, Hansford and Bogue; Model Graphix vol. 395
'US Amphibious Transports #3'

 米揚陸戦艦艇シリーズの第3回は前2回を補うもの。作例として「ヴィクトリー」級貨物船改造の「ハスケル」級APA(ルースキャノン製レジン)、C3型改造の「ベイフィールド」級APA(自作)と「ボーグ」級護衛空母(現タミヤ版インジェクション)を用意。

85 「グレンガイル」の巻 〜英海軍の揚陸戦艦艇〜 2017年11月号(通巻396号)
「グレンガイル」
Glengyle; Model Graphix vol. 396
'UK Amphibious Transports

 米海軍の揚陸戦艦艇は英海軍の同種兵器の開発史と深い関係にある。イギリスの多様な揚陸戦艦艇の開発史をまとめる。作例は米のAPAに相当するLSI(L)「グレンガイル」。

86 「上陸支援艇」の巻 〜上陸支援艇〜 2017年12月号(通巻397号)
「LCT(3)」「LCI(L)」「LCM」「LCS(R)」「LCF(3)」「LCG(L)(3)」「LSM(R)」「LCI(G)」「LCS(L)(3)」「LCA」「LCS(M)(1)」「LCVP」「LCE」
Various Support Crafts; Model Graphix vol. 397
'Landing Support crafts'

 連合軍の上陸作戦を語るうえで外せない小型の上陸支援艇について、現ピットロード版のキットなどを利用しつつ紹介。艦載艇サイズの小物を含むとはいえ、作例は合計17隻に及ぶ。

87 「風早」の巻 〜限定版キットの利用〜 2018年1月号(通巻398号)
「風早」「針尾」「みりい丸」「タニー」「スケート」「アーチャーフィッシュ」
Kazahaya, Hario, Miri maru, Tunny, Skate and Archerfish; Model Graphix vol. 398
'Conversion Modeling to WS 1TL Series'

 バリエーションキットの多いアオシマ「速吸」を「風早」「針尾」や戦時標準1TL型に改造するための手引き。ただし作業の効率化のため、フジミの川崎型も併用。「風早」は第62回の自作版と「速吸」改造を、「針尾」は川崎型改造と過去作例の1TL「みりい丸」自作を、それぞれ対比し、新規製作分はあえて塗装せず自作・部品流用の部分がわかりやすいようにしてある。米潜3隻は限定版「速吸+ブルーフィッシュ」の付属パーツの利用例で、NY誌の連載と連動している。

88 「龍田丸」の巻 〜「浅間丸」型空母改装計画〜 2018年2月号(通巻399号)
「龍田丸」「浅間丸」「大鷹」
Tatsuta maru, Asama maru and Taiyo; Model Graphix vol. 399
'Conversion Plan for Asama maru Class'

 日本最初の商船改装空母となるはずだった「浅間丸」型の改造計画。「龍田丸」の現存図面で立体化しつつ、その意義を検討する。比較用として商船連載第100回の「浅間丸」とアオシマの「大鷹」を使用。

89 「アークィラ」の巻 〜独伊の商船改装空母〜 2018年3月号(通巻400号)
「アークィラ」「飛鷹」
Aquila and Hiyo; Model Graphix vol.400
'German and Italian Aircraft Carriers Converted from Merchant Ship'

 両次大戦におけるドイツとイタリアの商船改造空母計画をまとめる。作例はフルスクラッチの「アークィラ」と比較用の「飛鷹」で、その他は略図で対比。。

90 「エンガディン」の巻 〜水上機母艦史1〜 2018年4月号(通巻401号)
「エンガディン」「シュトゥットガルト」
Engadine and Stuttgart; Model Graphix vol.401
'Seaplane Tender #1'

 第一次大戦時の水上機母艦をまとめたもの。作例は英の海峡連絡船改造艦と独の軽巡洋艦。他に日本の「若宮」と伊「エウロパ」のイラスト。

91 「コマンダン・テスト」の巻 〜水上機母艦史2〜 2018年5月号(通巻402号)
「コマンダン・テスト」「能登呂」
Commandant Teste and Notoro; Model Graphix vol.402
'Seaplane Tender #2'

 両次大戦間の水上機母艦をまとめたもの。作例は仏「コマンダン・テスト」とピットロードのキット「能登呂」。他に瑞「ドリスティゲテン」と米飛行船母艦「パトカ」のイラスト。

92 「カリタック」の巻 〜水上機母艦史3〜 2018年月6号(通巻403号)
「カリタック」「秋津洲」
Curritack and Akitsushima; Model Graphix vol.403
'Seaplane Tender #3'

 第二次大戦時の水上機母艦をまとめたもの。作例は米「カリタック」とアオシマのキット「秋津洲」。他に米海軍の「タンジール」「ビスケイン(バーネガット級)」のイラスト。

93 「シュヴァーベンラント」の巻 〜ドイツの射出機船〜 2018年7月号(通巻404号)
「シュヴァーベンラント」「ブッサルト」
Schwabenland and Bussard; Model Graphix vol.404
'German Catapult Ships'
'

 大戦間から第二次大戦中にかけてドイツで発達した「飛行艇を射出できる強力射出機搭載船」を紹介する。作例は南極観測にも使われた商船「シュヴァーベンラント」と、NIKOモデルのレジン「ブッサルト」。他にイラスト2枚。

94 「響」の巻 〜日本海軍の灰色塗装〜 2018年8月号(通巻405号)
「暁」「響」「雷」「電」
Akatsuki, Hibiki, Ikazuchi and Inazuma; Model Graphix vol.405
'IJN Grey Painting'

 本誌の読者投稿をもとにした企画で、いわゆる海軍工廠色に対する解釈と利用方法について検討したもの。GSIクレオス「Mr.カラー」の4工廠色を実際に特型駆逐艦に適用した作例を用意した。

95 「ハーフ・ムーン」の巻 〜優美な艦名〜 2018年9月号(通巻406号)
「ハーフ・ムーン」「アイアン・デューク」
Half Moon and Iron Duke; Model Graphix vol.406
'Elegance in Warships' name'

 軍艦の名前に「かっこよさ」ではなく「優美さ」を求める意味について考えたエッセイ的内容。作例は米水上機母艦「ハーフ・ムーン」と英戦艦「アイアン・デューク」。他に日本戦艦「富士」と仏軽巡「グロワール」のイラスト。

96 「三日月」の巻 〜天文艦名〜 2018年10月号(通巻407号)
「三日月」「メルクール」「ル・マルス」「フピテル」「ヴィーナス」
Mikazuki, Merkur, Le Mars, Jupiter and Venus; Model Graphix vol.407
'Astronomy in Warships' name'

 軍艦における天文関係の名前の使われ方について考えたエッセイ的内容。作例は日本駆逐艦、独鹵獲砲艦、仏駆逐艦、西汎用砲艦、英駆逐艦というバラエティ豊かなラインナップで「セーラームーン」のチームを組み、それに因んだ前口上も用意した、ある意味マニアックなパロディ仕立て。

97 「稲取」の巻 〜戦時標準3TL型〜 2018年11月号(通巻408号)
「稲取」「針尾」
Inatori and Hario; Model Graphix vol.408
'Wartime Standard Type3TL'

 現存図面をもとに、原型の戦時標準3TL型とはやや異なる構造を持つ3TL軍用型「稲取」を再現。以前製作途中で止めた状態を掲載した「針尾」は、別途完成状態を製作している。

98 「スノーフレイク」の巻 〜アオシマの「花」級〜 2018年12月号(通巻409号)
「スノーフレイク」「スノーベリー」
Snowflake and Snowberry; Model Graphix vol.409
'Aoshima Flower Class Corvette'

 重巡「エクゼター」のおまけ「花」級コルヴェットの単独発売を期待し、バリエーションを紹介。作例2隻以外に9隻分の図面を掲載している。

99 「南海」の巻 〜日本海軍の戦時塗装・艦底塗装・防錆塗装〜 2019年1月号(通巻410号)
「南海」「二等輸送艦(SS艇)」「第108号機動艇」「三笠」
Nankai, SS-Boat, SS No.108 and Mikasa; Model Graphix vol.410
'IJN Miscellaneous Paints'

 第94回の続きで、資料に基づく外舷2号色の色味の再現、艦底塗装や防錆塗装の解釈と模型表現の指針についてまとめた。作例はカラー写真が残っている鹵獲砲艦「南海」、写真をもとにGSIクレオスとピットロードの外舷2号系塗料で仕上げたSS艇2隻、ハイビジ塗装の「三笠」。

100 「愛国丸」の巻 〜「愛国丸」の再検討〜 2019年2月号(通巻411号)
「愛国丸」
Aikoku maru; Model Graphix vol.411
'Further Research on Aikoku Maru'

 NHKの番組制作過程で発見された図面と沈船調査映像をもとに「愛国丸」最終時を再現。

101 「護国丸」の巻 〜「護国丸」の再現2019〜 2019年3月号(通巻412号)
「護国丸」
Gokoku maru; Model Graphix vol.412
'Further Research on Gokoku Maru'

 前回同様、発見された「護国丸」図面とJACAR公開資料などから「護国丸」就役時を再現。

102 「勢多」の巻 〜河川用砲艦〜 2019年4月号(通巻413号)
「勢多」「須磨」「ルソン」「定辺」「クラクフ」「1125型」
Seta, Suma, Luzon, Ting Pien, Krakow and Projekt 1125; Model Graphix vol.413
'Naval River Strength'

 河川用砲艦についての概説。作例はほとんど市販品で、インジェクションとレジンの混成。「1125型」のみキット1/350と図面資料をもとに1/700を自作している。

102(特) 「呉軍港」の巻 〜映画の世界〜 2019年4月号(通巻413号)
「呉工廠」(1/3000)
Kure NYd; Model Graphix vol.413
'Kure NYd in Movie'

 特集「この世界の片隅に」内の作例記事。フジミの1/3000キットを用い、1945年6月22日の呉軍港を再現したもの。劇中のシーンを表現するためキットのベースを内陸側に延長して民家や道路を加えており、現地調査を3回実施し、建物の塗装など映画とは異なる考証も織り込んだ。また、同一スケールで「大和」、および終戦時に呉周辺にあった主要艦艇15隻を、キット・改造・自作を交えて用意している。

103 「嵯峨」の巻 〜警備砲艦〜 2019年5月号(通巻414号)
「嵯峨」「飛鳥」「アシュヴィル」「ケレタロ」
Saga, Asuka, Ashville and Queretaro; Model Graphix vol.414
'Security Gunboat'

 平時防備兵力としての砲艦について概要をまとめてみた。作例のうち「嵯峨」はレジンキット、「飛鳥」はレジン「安宅」からの改造、「アシュヴィル「ケレタロ」はフルスクラッチ。

104 「スターリング」の巻 〜第二次大戦の砲艦〜 2019年6月号(通巻415号)
「スターリング」「エリー」「ブーゲンヴィル」
Starling, Erie and Bougainville; Model Graphix vol.415
'Gunboats in WW2'

 一般的な警備砲艦とは性質の異なる主要国の砲艦3種を扱う。英海軍の護衛スループ「スターリング」、米海軍の汎用砲艦「エリー」、仏海軍のアヴィゾ「ブーゲンヴィル」を再現。

105 「U47」の巻 〜VII型Uボート〜 2019年7月号(通巻416号)
「VII型Uボート」
German Submarines; Model Graphix vol.416
'Type VII U-boat'

 Uボートの最多量産型で人気が高いVII型の各社キットを作り比べ。メーカーはハセガワ、アオシマ、童友社、フライホークで、B・C型を交え作例は7隻。

106 「U124」の巻 〜IX型Uボート〜 2019年8月号(通巻417号)
「IX型Uボート」
German Submarines; Model Graphix vol. 417
'Type IX U-Boat'

 戦果の面ではVII型を越える成功作だったIX型。作例は5隻で、ハセガワと童友社のキットを用い、IXA型は改造。

107 「U441」の巻 〜大戦後期のUボート〜 2019年9月号(通巻418号)
「U441」「U889」「U2336」「U2501」
German Submarines; Model Graphix vol.418
'U-boat in Late War'

 大戦末期のUボート戦と建造艦を扱う。作例はVII型対空Uボート、IX型シュノーケル搭載艦、エレクトロタイプのXXI・XXIII型。

108 「U4501」の巻 〜計画Uボート〜 2019年10月号(通巻419号)
「U112」「U1701」「U4501」
German Submarines; Model Graphix vol.419
'Planned U-boat'

 計画のみに終ったUボートの作例・図面集。作例は巡洋潜水艦XI型、輸送潜水艦XX型、ヴァルター量産潜水艦XXVI型で、他に魚雷艇搭載艦IIIA型、ヴァルター試作潜水艦XVIIB型の側面図を掲載。

109 「ウォーカー」の巻 〜Uボート第一期黄金時代〜 2019年11月号(通巻420号)
「ウォーカー」「カメリア」「UA」
Walker, Camellia and UA; Model Graphix vol.420
'U-boat At The First Zeneath'

 1940年後半から41年にかけて、Uボート第一期黄金時代と呼ばれる時期の状況について、ポイントとなる船団の戦闘状況を追いながら概説する。作例は「U99」撃沈で知られる駆逐艦「ウォーカー」、新戦力として加わったばかりの「花」級コルヴェットと、戦力不足のUボート陣にあって貴重な増援となった旧トルコ潜水艦「UA」。

110 「ジャーヴィス・ベイ」の巻 〜連合軍の輸送船団〜 2019年12月号(通巻421号)
「ジャーヴィス・ベイ」
Jervis Bay; Model Graphix vol.421
'Allied Convoy Network'

 連合軍が第二次大戦中に開設した輸送船団ルートの詳細を紹介。ネットワークを俯瞰することで潜水艦戦が実施された時期と海域の相関関係も見えてくる。作例は仮装巡洋艦「ジャーヴィス・ベイ」で、本誌掲載から間もなくAJMモデルのレジンキャストキットが国内発売されている。

111 「オーダシティ」の巻 〜連合軍船団護衛体制の拡充〜 2020年1月号(通巻422号)
「オーダシティ」「スタンレイ」
Audacity and Stanley; Model Graphix vol.422
'Reinforcement of Allied Convoy Defense'

 実質的に第109回の前後の時期を扱った二部構成で、第二次大戦の開始に伴う連合軍の商船護衛への対応と護衛空母が初めて投入されたHG船団の戦闘状況をたどる。作例は初の護衛空母「オーダシティ」と、同じ船団護衛作戦で撃沈されたアメリカからの供与駆逐艦「スタンレイ」。

112 「アヴェンジャー」の巻 〜Uボート第二期黄金時代〜 2020年2月号(通巻423号)
「アヴェンジャー」「ルーベン・ジェイムズ」(「オーダシティ」)
Avenger and Reuben James; Model Graphix vol.423
'U-boat At The Second Zeneath'

 1942年の大西洋戦争をまとめたもの。アメリカ参戦に伴う北中米東岸での作戦、北洋の援ソ船団前半戦、北アフリカ上陸作戦と3つの大きなフェイズからなる。作例は後2者に関与した護衛空母「アヴェンジャー」と、アメリカ参戦に大きな影響を与えた駆逐艦「ルーベン・ジェイムズ」。また、前回掲載時に左舷の迷彩が推測だった「オーダシティ」は、写真に基づき再塗装したものを掲載した。

113 「ハーヴェスター」の巻 〜死闘の北大西洋〜 2020年3月号(通巻424号)
「ハーヴェスター」「アコニ」「ヴォランティア」「スウェイル」
Harvester, Aconit, Volunteer and Swale; Model Graphix vol.424
'Struggle in North Atlantic'

 1943年初頭、両軍とも大きな損失を出しながら激しく競り合った時期の北大西洋コンボイを紹介。作例は護衛陣から4隻で、旧ブラジル向けH級駆逐艦、旧式のW級駆逐艦、就役開始直後の河川級フリゲート、数的主力の花級コルヴェットと当時の代表的なタイプを集めてある。

114 「ヘスペラス」の巻 〜大西洋戦争の帰趨〜 2020年4月号(通巻425号)
「ヘスペラス」「ラガン」
Hesperus and Lagan; Model Graphix vol.425
'Decisive Battle of The Atlantic War'

 大西洋戦争最大の転回点となった43年5月の戦闘状況と、音響魚雷を装備してUボートが実施した最後の大規模攻撃作戦を扱う。作例は前回とタイプが重複するが、戦史の上での価値とともに、H級はNY誌の連載との作例併用、フリゲートは生産終了したシールズモデル製と自作との対比を目的としている。この他英護衛部隊の指揮官アーサー・テイトとドナルド・マッキンタイアのイラストを掲載。

115 「和泉」の巻 〜防護巡洋艦〜 2020年5月号(通巻426号)
「比叡」「和泉」「吉野」
Hiei, Izumi and Yoshino; Model Graphix vol.426
'Protected Cruiser'

 巡洋艦発達史その1。航洋性と装甲の兼ね合いを模索する過程で防護巡洋艦が生まれるまでをまとめてある。作例は装甲帯巡洋艦「比叡」、最初の防護巡洋艦「和泉」、砲兵装重視から速力重視に移行した「吉野」。

116 「デュピュイ・ド・ローム」の巻 〜装甲巡洋艦〜 2020年6月号(通巻427号)
「デュピュイ・ド・ローム」「ガリバルディ」「浅間」
Dupuy de Lome, Galibaldi and Asama; Model Graphix vol.427
'Armored Cruiser'

 巡洋艦発達史その2。速射砲の登場を背景として台頭した装甲巡洋艦を扱う。作例は自作の「デュピュイ・ド・ローム」、レジンの「ガリバルディ」、インジェクションの「浅間」と三種三様。他に「オイギンス」の図面。

117 「ミノター」の巻 〜装甲巡洋艦から巡洋戦艦へ〜 2020年7月号(通巻428号)
「ミノター」「インヴィンシブル」「リュッツォウ」
Minotaur, Invincible and Lutzow; Model Graphix vol.428
'Battlecruiser'

 巡洋艦発達史その3。艦隊戦の要素としての装甲巡洋艦が巡洋戦艦へ発展解消する状況を解説。この回の作例も「ミノター」は自作、「インヴィンシブル」はレジン、「リュッツォウ」はインジェクション。

118 「アリシューザ」の巻 〜近代軽巡洋艦〜 2020年8月号(通巻429号)
「マグデブルク」「アリシューザ」「クアルト」
Magdeburg, Arethusa and Quarto; Model Graphix vol.429
'Modern Light Cruiser'

 巡洋艦発達史その4。性能向上にもたついた小型巡洋艦が充分な能力を獲得する過程を扱う。作例は近代軽巡の始祖的存在の英独2隻と、究極の防護巡洋艦ともいえるイタリア艦で、いずれも自作。

119 「エムデン」の巻 〜カードモデル〜 2020年9月号(通巻430号)
「エムデン」「利根」
Emden and Tone; Model Graphix vol.430
'Card Model'

 巡洋艦発達史からスピンオフする形で、紙製艦船模型を紹介。作例はドイツ製本格カードモデルの「エムデン」と「ミリタリークラシックス」誌付録ペーパークラフトの「利根」。

120 「天栄丸」の巻 〜戦時標準2TL型の自作〜 2020年10月号(通巻431号)
「天栄丸」
Tenei maru; Model Graphix vol.431
'Card Model of WS-2TL'

 前回の経験をもとに本連載オリジナルのカードモデルを作ってしまおうというデラックス企画。最初に選んだのはボリュームの割に形状が簡単で作りやすい戦時標準2TL型タンカー。もちろんプラ板に置き換えても1/700コレクションで充分成立する。

121 「江の島丸」の巻 〜戦時標準2A型の自作〜 2020年11月号(通巻432号)
「江の島丸」
Enoshima maru; Model Graphix vol.432
'Card Model of WS-2A'

 オリジナルカードモデル企画2回目は戦時標準2A型。貨物船でタンカーよりディテールパーツが多いので2番目としたが、バリエーションが多いので何隻も作りたい。

122 「永仁丸」の巻 〜戦時標準2AT型の自作〜 2020年12月号(通巻433号)
「永仁丸」「日ト丸」
Einin maru and Nichigyoku maru; Model Graphix vol.431
'Card Model of WS-2A, Reinforcement Parts'

 戦標2A型のアドヴァンスドキットに相当する内容で、航空機搭載型や応急タンカー用の部品、軽貨状態用の船体などをセットしてステイホームライフを支援(?)。「日ト丸」は第67回でスペースの都合上未掲載になったもので、いちおうプラ材で作った場合の参考作例として復活した。

123 「畿内丸」の巻 〜ピットロード「神川丸」型の利用ふたたび〜 2021年1月号(通巻434号)
「畿内丸」「山陽丸」
Kinai maru and Sanyo maru; Model Graphix vol.434
'Conversion from Kamikawa Maru'

 クルーザースターンの船は紙では作りにくいので、普通のインジェクションキット改造講座となる。内容的には「日の丸船隊ギャラリー」第2回のリバイバルで、「畿内丸」型のインジェクションキットが出ず日本の特設水上機母艦の中で「山陽丸」のみはピットロードの「神川丸」型から改造する必要がある状況が変わっていないため、考証的なアップデートも含め再び取り上げた。「山陽丸」自体は同連載第23回のもので、新作として「畿内丸」を用意している。

124 「あづさ丸」の巻 〜マリアナ沖海戦の戦時標準1TL型〜 2021年2月号(通巻435号)
「興川丸」「清洋丸」「あづさ丸」
Okikawa maru, Seiyo maru and Azusa maru; Model Graphix vol.435
'WS-1TL Fleet Oilers at The Battle of Philippine Sea'

 マリアナ沖海戦の補給部隊を揃えるために必要な戦時標準1TL型3隻の製作記事。「興川丸」はすでに作例があるが時期違いなので、企画室黒潮のレジンキャストを再利用している。

125 「日本海丸」の巻 〜水雷母艦〜 2021年3月号(通巻436号)
「日本海丸」「アドルフ・リューデリッツ」「ナイアガラ」
Nihonkai maru, Adolf Luederitz and Niagara; Model Graphix vol.436
'Torpedo boat tender'

 小型艦艇の支援という視点から各種母艦を一連の流れにまとめて紹介。作例は特設掃海母艦「日本海丸」と米独の魚雷艇母艦。 

126 「ブラック・ホーク」の巻 〜駆逐艦母艦〜 2021年4月号(通巻437号)
「ブラック・ホーク」「ウーリッチ」
Black Hawk and Woolwich; Model Graphix vol.437
'Destroyer tender'

 前回の各種母艦の上位艦種にあたる駆逐艦母艦を扱う。作例のうち「ウーリッチ」はアオシマの「ドーセットシャー」が設計ミスで実艦より寸法が短い欠点を逆用し、ほぼキットの寸法と同じ「ウーリッチ」へ改造するという企画。

127 「メデューサ」の巻 〜工作艦〜 2021年5月号(通巻438号)
「メデューサ」「明石」
Medusa and Akashi; Model Graphix vol.438
'Repair Ship'

 漠然と移動修理工場と認識されがちな工作艦について、フリートトレイン構想と合わせてより具体的にそれらが何を求められていたかを洗い直す。作例は自作の「メデューサ」と久々の市販キット「明石」で、以前使ったもの。

128 「ザール」の巻 〜潜水母艦〜 2021年6月号(通巻439号)
「長鯨」「大鯨」「ザール」「レック」
Chogei, Taigei, Zaar and Lech; Model Graphix vol.439
'Submarine tender'

 話の流れの都合で間に工作艦を挟んでから潜水母艦を入れた。作例は市販品の「長鯨」「大鯨」と小型の独「ザール」「レック」。

129 「プロテュース」の巻 〜各種母艦の形態的発達史〜 2021年7月号(通巻440号)
「プロテュース」「伊400」「伊401」「伊14」
Proteus, I-400, I-401 and I-14; Model Graphix vol.440
'Comprehensive development descent of verious tenders'

 ここまで紹介した各種母艦が全体としてはひとまとめに扱えることを系統樹で示した回。作例は工作艦・駆逐艦母艦・潜水母艦が準同型艦として作られた今回を象徴する艦である「プロテュース」で、有名な「伊400」などとの終戦直後の係留写真を再現。

130 「千代田」の巻 〜小型潜航艇母艦〜 2021年8月号(通巻441号)
「千代田」「ボナヴェンチャー」
Chiyoda and Bonaventure; Model Graphix vol.441
'Midget submarine tender'

 前回までのシリーズの番外編にあたる内容で、第二次大戦中2隻だけ実際に用いられた小型潜航艇母艦を扱ったもの。作例もこの2隻。

131 「Uボート・ブンカー」の巻 〜コンクリート掩体基地〜 2021年9月号(通巻442号)
「Uボート・ブンカー」「ケロマン地区ブンカー群」
U-boat bunker (Pitroad kit and scratch build); Model Graphix vol.442
'U-boat bunker'

 ドイツ海軍が各地に建造したコンクリート・ブンカーの概要で、本連載としてはやや特殊な地上建造物。作例はロングセラーのピットロード版(旧グリーンマックス版)1/700キットと、フジミの1/3000シリーズの海面ベースを利用して同スケールで制作したロリアンのケロマン地区ブンカー群。市販品のサイズで意外と程よく収まる点に注目。

132 「U404」の巻 〜Uボートのマーキング〜 2021年10月号(通巻443号)
「U404」「U712」
U404 and U712; Model Graphix vol.443
'U-boat emblem'

 単調になりがちなUボートのコレクションに花を添えるパーソナルエンブレムを紹介。次回と合わせ読者の反響が大きかった企画。過去にはハセガワのキットも出ているが、案外初めて知ったという方も多かった様子。

133 「U25」の巻 〜Uボート・エース〜 2021年月11号(通巻444号)
「U25」「U47」
U25 and U47; Model Graphix vol.444
'U-boat aces in quiz'

 Uボートのトップエースたちを似顔絵とパーソナルエンブレムを結びつけるクイズ形式で紹介した、本連載ならではの異色作。IA型の作例も珍しいが、やはり似顔絵に手間がかかっている。

134 「サラディン」の巻 〜第二次大戦時の英海軍旧式駆逐艦〜 2021年12月号(通巻445号)
「サラディン」「ウースター」
Saladin and Worcester; Model Graphix vol.445
'WWII British old desteroyers'

 第一次大戦までの英駆逐艦慨史と、それらのうち第二次大戦当時も在役した艦が具体的にどのような使われ方をしたかを調査。船団護衛のダイヤグラムを作成して行動状況を分かりやすく視覚化した。作例はタミヤ「ヴァンパイア」の改造という従来の定番工作と、アオシマから企画商品として発売されたS級のキットを利用した改造要領を紹介。後者の需要を喚起して単独発売を期待する面もある。

135 「ビッカートン」の巻 〜護衛フリゲート〜 2022年1月号(通巻446号)
「ベインタン」「ビッカートン」「ロッホ・キリン」
Bayntun, Bickerton and Loch Killin; Model Graphix vol.446
'Escort Frigate'

 第二次大戦でフリゲートの名を冠して現れた新型外洋護衛艦を1回にまとめたもの。作例はピットロードの護衛駆逐艦を改造した「ベインタン」「ビッカートン」と自作の「ロッホ・キリン」。この回から「ロッホ」という表記を採用した。

136 「那智」の巻 〜箱絵とともに振り返るウォーターラインシリーズ〜 2022年2月号(通巻447号)
「武蔵」「蒼龍」「那智」「五十鈴」
Musashi, Isuzu, Nachi and Isuzu; Model Graphix vol.447
'Water line series 50th years anniversary'

 ウォーターラインシリーズ発売50周年企画として旧作キットとボックスアートで一席。メーカー側のイベントを待っていたが結局何もなかったため、仕方なく年内最後の回に入れた。掲載したキットの少なくともいくつかは模型誌最後の作例になるだろう。上記4隻と「信濃」「鬼怒」「暁」「雪風」のボックスアートをあわせて掲載。

137 「神悦丸」の巻 〜戦時標準2D型〜 2022年3月号(通巻448号)
「神悦丸」「箕面」
Shinetsu maru and Minoo; Model Graphix vol.448
'Wartime standard type2D'

 カードモデル第2シリーズの最初は戦時標準2D型で、1枚につき2隻製作できる。ニコモデルの「箕面」のように高価だが基本形状・ディテールとも不良の市販キットを買うよりはよほど有益な模型が手に入る。

138 「神祥丸」の巻 〜戦時標準1C型〜 2022年4月号(通巻449号)
「神祥丸」「白馬丸」
Shinsho maru and Shirouma maru; Model Graphix vol.449
'Wartime standard type1C'

 カードモデルでは表現しにくいクルーザースターンを避けつつ、より一般的なデザインである三島型の貨物船を作るという狙いで戦時標準C型を選択。造船所によるバリエーションが多く全容も把握されていないが、とりあえず基準型と名古屋造船型の2タイプに対応する選択部品を用意し、適当に組み合わせて1隻を作る体裁をとっている。

139 「伯剌西爾丸」の巻 〜第一次大戦型貨物船〜 2022年5月号(通巻450号)
「伯剌西爾丸」
Brazil maru; Model Graphix vol.450
'Standard freighter of WW1 era'

 やや難易度が高いが、一度覚えると応用性が高い形状であるカウンタースターンの貨物船を用意。平甲板の「大福丸」型を選ぶことで船尾以外の手間をできるだけ軽減し、労力を船尾に集中できるよう配慮した。作例には「せれべす丸」も用意する予定だったが、時間と誌面構成の都合で省略。

140 「アルミード」の巻 〜初期のフランス潜水艦〜 2022年6月号(通巻451号)
「プロンジュール」「プリュヴィオーズ」「キュリー」「マリオット」
Prongeur, Pluviose, Curie and Mariotte; Model Graphix vol.451
'Early days of French submarine'

 第一次大戦までのフランス潜水艦発達史。日本ではなかなか扱われることのない企画で、名前は知っていても母国の実体があまり把握できないローブーフ式設計の位置づけや、蒸気動力式潜水艦への期待、あるいは「サウンド・オブ・ミュージック」との関連、怪獣のようなシルエットの奇艦など、意外と中身が濃い。

141 「E11」の巻 〜初期のイギリス潜水艦〜 2022年7月号(通巻452号)
「E11」「K15」「L18」
E11, K15 and L18; Model Graphix vol.452
'Early days of British submarines'

 第一次大戦までのイギリス潜水艦発達史。小物ばかりの前回と違い、巨大なK級あり、日本の図面から逆製図したL級ありと作例の様相はやや異なる。

142 「○一」の巻 〜第一次大戦の戦利潜水艦〜 2022年8月号(通巻453号)
「○一」「○三」「○五」「○六」
ex-U125, U55, UC99 and UB125; Model Graphix vol.453
'Submarines as WW1 prize'

 第一次大戦時の戦利独潜4タイプを実際に作って並べてみる。「○二」(U43)は以前作ったので、Ms型は「U55」を選定。UBIII型とUCIII型は2隻の違いがあまりないので各1隻としている。

143 「伊501」の巻 〜第二次大戦の戦利潜水艦〜 2022年9月号(通巻454号)
「伊501」「伊502」「伊505」「伊506」
ex-U181, U862, U219 and U195; Model Graphix vol.454
'Submarines as WW2 prize'

 第二次大戦時の戦利独潜4隻を実際に作って並べてみる。比較用として「呂500」も掲載。人気の第二次大戦Uボートとはいえ、いずれもマイナーで作例としてはめったに見る機会がないが、IXC型とD型の船体の違いやシュノーケルの有無など、意外に得られるものは大きい。

144 「バルバリーゴ」の巻 〜イタリア潜水艦〜 2022年10月号(通巻455号)
「マルチェッロ」「バルバリーゴ」「モチェニーゴ」「コマンダンテ・カッペリーニ」
Marcello, Barbarigo, Mocenigo and Commandante Cappelini; Model Graphix vol.455
'Italian Submarines'

 イタリア潜水艦史。極東輸送潜水艦を扱うことで前回の内容と連続する面もある。作例は1型式に絞ったのが特徴で、艦と時期によって大きな相違が出た点をわかりやすく示した。

145 「オシリス」の巻 〜おしりせんすいかん を つくれ!〜 2022年11月号(通巻456号)
「オシリス」
Osiris; Model Graphix vol.456
'British Submarines in Washington treaty period'

 英海軍が対日戦を目的として作った最初の主要戦闘艦艇であるにもかかわらず、日本側からはほとんど顧みられない不遇のO〜R級潜水艦を、人気アニメのパロディを交えながら紹介した回。タイトルシップは厳密には「オウサイリス」と読む。作例は同艦のフルハル・水線模型と比較用のアオシマ海大4型。

146 「長門」の巻 〜模型店にない艦船模型〜 2022年12月号(通巻457号)
「長門」「漁船」
Nagato and Troller; Model Graphix vol.457
'Ship Model Outside of Model Shop'

 艦船モデラーが普段通う模型店にはない組立式艦船模型をとりあげた。通例おもちゃ屋で扱われるピースクールのメタリックナノパズル「長門」と、筆者は本屋で入手したロボタイムの立体ウッドパズル「漁船」で、商品自体はフォトエッチングやレーザーカットというモデラーが見慣れた技術で作られているが、その世界独特の立体化コンセプトが興味深い。気分転換にいかが。

147 「ノルマンディー上陸作戦」の巻 〜簡易ダイオラマの価値〜 2023年1月号(通巻458号)
「ノルマンディー上陸作戦」「アメリカ陸軍戦闘機」
Normady Landing Set and US Army Fighters; Model Graphix vol.458
'Simplified Diorama'

 最近ピットロードが力を入れている厚紙ベースの簡易ダイオラマセット。模型誌ではやや扱いにくいものをあえてとりあげることで、モデラーとしての利用価値を考えてみる。40年前の簡易ダイオラマであるツクダホビーの飛行機セットも紹介。

148 「LST214」の巻 〜LST(2)型のバリエーション〜 2023年2月号(通巻459号)
「LST214」「LST357」
LST214 and LST357; Model Graphix vol.459
'LST(2) variation'

 ピットロードからLSTが発売されているが、1000隻以上作られているタイプの割にバリエーション展開をまとめた資料が少なく、活用がしづらい難点がある。この回はLSTの基本形状を再確認するとともに、LCMの搭載状態を紹介した。

149 「アケラス」の巻 〜LSTの他艦種転用〜 2023年3月号(通巻460号)
「アケラス」「ヌーシス」
Achelous and Nueces; Model Graphix vol.460
'LST(2) family'

 前回の続きで、LSTの船体を使った別艦種を一括掲載。資料的に程よくまとまった便利な内容となっている。作例は基本形状にあたるARLの1番艦「アケラス」と、逆にLSTの異端児ともいうべきAPB「ヌーシス」。

150 「アシュランド」の巻 〜ドック型揚陸艦〜 2023年4月号(通巻461号)
「アシュランド」
Ashland; Model Graphix vol.461
'Dock Landing Ship'

 第二次大戦の揚陸戦艦艇の傑作と言われ、戦後も発展が続いたLSDを紹介するだけでなく、フルスクラッチ用の図面を掲載。キットがないわりに多彩な模型表現が可能なLSDのポテンシャルを発掘する。

151 「コヴェントリー」の巻 〜対空巡洋艦1〜 2023年5月号(通巻462号)
「コヴェントリー」「ユライアラス」
Coventry and Euryalus; Model Graphix vol.462
'Anti-Aircraft Cruiser #1'

 英海軍が開発した新艦種・対空巡洋艦について。作例の「ユライアラス」は「ナイアド」のキットの応用例として製作したが、「コヴェントリー」はキットが発売されたばかりの「カルカッタ」からではなく自作。

152 「デリー」の巻 〜対空巡洋艦2〜 2023年6月号(通巻463号)
「デリー」「カリブディス」
Delhi and Charybdis; Model Graphix vol.463
'Anti-Aircraft Cruiser #2'

 英海軍対空巡洋艦整備計画のその後、およびその評価について検討する。作例はどちらも自作。

153 「サン・ファン」の巻 〜対空巡洋艦3〜 2023年7月号(通巻464号)
「サン・ファン」「メンデス・ヌニェス」
San Juan and Mendez Nunez; Model Graphix vol.464
'Anti-Aircraft Cruiser #3'

 諸外国の対空巡洋艦を概観。作例のうち「サン・ファン」はドラゴン(旧ピットロード版)を使用。「メンデス・ヌニェス」は自作。

154 「由良」の巻 〜対空巡洋艦4〜 2023年8月号(通巻465号)
「天龍」「由良」「五十鈴」「清滝」
Tenryu, Isuzu, Yura and Kiyotaki; Model Graphix vol.465
'Anti-Aircraft Cruiser #4'

 日本海軍の対空巡洋艦計画と実際の推移をまとめる。「五十鈴」はタミヤのキット。「天龍」「由良」はキット改造で計画案を再現したもので、新造計画のデザインに対しては「阿賀野」型をベースに用い架空艦名を当てている。

155 「オーストラリア」の巻 〜「カウンティ」級重巡の近代化改装1〜 2023年9月号(通巻466号)
「オーストラリア」「ベリック」
Australia and Berwick; Model Graphix vol.466
'Kent class modernization'

 姉妹艦が多いにもかかわらずキット化が止まってしまった「ケント」級の活用法を探る。「ケント」と「コーンウォール」のキットパーツを相互にやりくりして、最小限の手間で「オーストラリア」「ベリック」を作るというアレンジの妙を生かした回。

156 「デヴォンシャー」の巻 〜「カウンティ」級の近代化改装2〜 2023年10号(通巻467号)
「デヴォンシャー」「キャンベラ」
Devonshire and Canberra; Model Graphix vol.467
'London and Norfolk class modernization'

 前回はアオシマの「ケント」級に焦点を絞ったのに対し、今回は「ノーフォーク」級とトランぺッター「ケント」級を利用。戦史の上でも見せ場のある2隻を再現する。

157 「ヒューストン」の巻 〜「ノーサンプトン」級〜 2023年11月号(通巻468号)
「ヒューストン」「オーガスタ」
Houston and Augusta; Model Graphix vol.468
'Northampton Class'

 前回の姉妹編で、タミヤ「インディアナポリス」を使って「ノーサンプトン」級を再現する方法を研究。「オーガスタ」は最も少ない手間で作れる艦、「ヒューストン」はキットの特性を利用しつつ入手したい艦として選んでいる。

158 「神洋丸」の巻 〜資料から再現する特設給糧船〜 2023年12月号(通巻469号)
「神洋丸」
Shinyo maru; Model Graphix vol.469
'Auxiliary food supply ship from wartime report'

 文献資料から特設艦船を再現する過程を詳述したもの。造形面の参考になる記述が多い「神洋丸」をとりあげたが、引用したJACARの資料の内容も興味深い。

159 「どうばあ丸」の巻 〜資料から再現する陸軍輸送船〜 2024年1月号(通巻470号)
「どうばあ丸」
Dover maru; Model Graphix vol.470
'Army transport from wartime report'

 前回の姉妹編。今回の引用文献はJACARにはない。前回と同じく造形面で有用な資料のある船を選んだが、やはり地域色豊かな資料を読み解くのも面白い。

160 「鞍埼」の巻 〜給糧艦船の概要〜 2024年2月号(通巻471号)
「鞍埼」「豊光丸」
Kurasaki and Hoko maru; Model Graphix vol.471
'Food supply ships'

 呉海事歴史科学館の新規公開資料を基に、従来知られていなかった「鞍埼」の改装後の状態を再現。特設給糧船も「豊光丸」は図面と作例、「第3播州丸(旧名は第88播州丸)」は図面を掲載し、それらの建造背景にも触れた。



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