戦時輸送船模型展
The Exhibition of Wartime Merchantship Models
ここでは過去に行った当ページの商船模型の展示会について紹介します。会場の様子と、場内パンフレットの内容を掲載してあります。
<戦時輸送船模型展2003>
2003夏:於「戦没した船と海員の資料館」
展示模型一覧
1 阿波丸(日本郵船) 2 安芸丸(日本郵船) 3 三池丸(日本郵船) 4 平安丸(日本郵船) 5 氷川丸(日本郵船) 6 靖国丸(日本郵船) 7 新田丸(日本郵船) 8 報国丸(大阪商船) 9 愛国丸(大阪商船) 10 護国丸(大阪商船) 11 ありぞな丸(大阪商船) 12 りおでじやねろ丸(大阪商船) 13 ぶえのすあいれす丸(大阪商船) 14 長寿山丸(朝鮮郵船) 15 華山丸(日清汽船) 16 北京丸(大連汽船) 17 浮島丸(大阪商船) 18 佐渡丸(日本郵船) 19 相良丸(日本郵船) 20 粟田丸(日本郵船) 21 浅香丸(日本郵船) 22 長良丸(日本郵船) 23 能代丸(日本郵船) 24 対馬丸(日本郵船) 25 延長丸(日本郵船) |
26 山陽丸(大阪商船) 27 南海丸(大阪商船) 28 綾戸山丸(三井船舶) 29 吾妻山丸(三井船舶) 30 金華丸(国際汽船) 31 香椎丸(国際汽船) 32 清澄丸(国際汽船) 33 神川丸(川崎汽船) 34 聖川丸(川崎汽船) 35 君川丸(川崎汽船) 36 国川丸(川崎汽船) 37 宏川丸(川崎汽船) 38 鬼怒川丸(東洋海運) 39 球磨川丸(東洋海運) 40 高栄丸(高千穂商船) 41 山月丸(山下汽船) 42 新興丸(橋本汽船) 43 善洋丸(東洋汽船) 44 五洋丸(五洋商船) 45 雄鳳丸(飯野海運) 46 東亜丸(飯野海運) 47 せりあ丸(三菱汽船) 48 あきつ丸(日本海運) 49 にぎつ丸(日本海運) 50 摩耶山丸(三井船舶) |
<総トン数について>
商船の大きさを示す値として最もよく使われるのが「総トン数」です。これはトン数といっても重量ではなく、容積を示したもの。様々な規定などによって、必ずしも本来のサイズに比例せず、場合によっては同じ船でも時期によって違っていたりします。他に「排水量」「重量トン数」などの計測方法もあります。
〜はじめに〜
太平洋戦争中、日本の民間船舶は多くが軍の徴用を受け、兵士や補給品を積んで前線へと向かいました。また、後方で働き続けた船も、シーレーンの切断を狙う連合軍の脅威にさらされ続けていました。戦争中はどの船も、その姿に似つかわしくない武装や迷彩塗装を施していたのです。そして多くが船上の人々とともに海没し、苦闘の記憶も歴史の彼方へと消え去ろうとしています。
今回、現存する数少ない記録などを基にして、戦時中の日本輸送船の姿の再現を試みました。この企画が、後世の人々のために忘れてはならない貴重な過去の体験を思い起こす一助に、あるいは平和への願いを新たにするきっかけになればと思います。
1 阿波丸(日本郵船:11249総トン)
1942年完成、45年4月戦没。模型は最終時、救恤品輸送船の状態。
2 安芸丸(日本郵船:11409総トン)
1942年完成、44年7月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
3 三池丸(日本郵船:11738総トン)
1941年完成、44年4月戦没。模型は43年秋頃〜最終時、陸軍輸送船の状態。
4 平安丸(日本郵船:11616総トン)
1930年完成、44年2月戦没。模型は43年初夏、海軍特設潜水母艦の状態。
5 氷川丸(日本郵船:11622総トン)
1930年完成、現存。模型は1942年、海軍特設病院船の状態。
今も横浜港に係留されている「氷川丸」は、日本と北米のシアトルを結ぶ貨客船として建造されました。戦時中は病院船となったために何とか終戦まで生き残ることができましたが、潜水艦部隊の補給任務についた姉妹船「平安丸」は、当時「日本の真珠湾」と呼ばれた南太平洋のトラック島で米軍機に撃沈され、いまも環礁の中に横たわっています。
「氷川丸」クラスと交代するため建造されたのが「三池丸」ですが、完成が太平洋戦争開始直前だったため、船暦の大半を陸軍の輸送船として過ごしました。姉妹船の「三島丸」は開戦のため設計を改め、「安芸丸」として完成。「三池丸」から甲板1枚を差し引いた扁平な姿となってしまいました。
「安芸丸」の名前は、本来オーストラリア航路用として建造中の船につける予定でした。この船は建造中止となった姉妹船の名を引き継いで「阿波丸」となりました。1945年春、人道支援任務に従事中誤って撃沈されてしまいました。
6 靖国丸(日本郵船:11933総トン)
1930年完成、44年1月戦没。模型は41年末、海軍特設潜水母艦の状態。
7 新田丸(日本郵船:17150総トン)
1940年完成、43年12月戦没。模型は42年初頭、海軍特設運送船の状態。
この2隻は欧州航路の船で、「靖国丸」は「氷川丸」とほぼ同時に作られ、サイズも似通った船です。「新田丸」は欧米の豪華客船に対抗した大型船ですが、海軍が有事に航空母艦に改造するための素材として建造助成をしていたという裏事情もありました。その後実際に海軍が買収し、空母「冲鷹(ちゅうよう)」となっています。
8 報国丸(大阪商船:10438総トン)
1940年完成、42年11月戦没。模型は最終時、海軍特設巡洋艦の状態。
9 愛国丸(大阪商船:10438総トン)
1941年完成、44年2月戦没。模型は1942年夏、海軍特設巡洋艦の状態。
10 護国丸(大阪商船:10438総トン)
1942年完成、44年10月戦没。模型は完成時、海軍特設巡洋艦の状態。
11 ありぞな丸(大阪商船:9683総トン)
1920年完成、42年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
12 りおでじやねろ丸(大阪商船:9626総トン)
1929年完成、44年2月戦没。模型は42年5月、海軍特設潜水母艦の状態。
13 ぶえのすあいれす丸(大阪商船:9625総トン)
1929年完成、43年11月戦没。模型は42年初夏、陸軍輸送船の状態。
大阪商船の北米西岸航路は、シアトルに近いタコマを目的地としました。「ありぞな丸」はこの航路で活躍した代表的貨客船です。その後同社は南米大陸東岸からアフリカ方面へと航路を展開、「りおでじやねろ丸」や「ぶえのすあいれす丸」などで、数多くの日本人が新天地を求めて南米へと移住していきました。「報国丸」クラス3隻はアフリカ航路用の新造船ですが、「三池丸」クラスと同様にほとんど商業航海につくことはありませんでした。
14 長寿山丸(朝鮮郵船:2131総トン)
1929年完成、44年11月戦没。模型は41年末、海軍特設砲艦の状態。
15 華山丸(日清汽船:2089総トン)
1926年完成、終戦時残存。模型は44年末、海軍特設砲艦の状態。
16 北京丸(大連汽船:2288総トン)
1937年完成、44年7月戦没。模型は43年、海軍特設砲艦の状態。
17 浮島丸(大阪商船:4731総トン)
1937年完成、45年8月戦没。模型は42年、海軍特設巡洋艦の状態。
この4隻は、いずれも近海航路の貨客船です。「長寿山丸」は阪神〜ウラジオストック航路、「華山丸」は上海〜天津航路、「北京丸」は大連〜天津航路、「浮島丸」は阪神〜沖縄航路の定期船でした。これらは全て戦時中海軍に徴用され、日本と東南アジアの占領地帯を結ぶシーレーンの保護任務にあてられました。日本海軍は、もともとこのような任務に使うための軍艦をほとんど持っていなかったので、普通の貨物船に少し多めの武装を施しただけの特設軍艦で一般の輸送船を守らせるしかなかったのです。「浮島丸」は終戦直後、朝鮮人帰国者を輸送中、舞鶴湾で機雷に触れて沈んだことで知られています。
18 佐渡丸(日本郵船:7189総トン)
1939年完成、42年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
19 相良丸(日本郵船:7189総トン)
1940年完成、43年6月戦没。模型は42年夏、海軍特設水上機母艦の状態。
20 粟田丸(日本郵船:7397総トン)
1937年完成、43年10月戦没。模型は42年末、海軍特設巡洋艦の状態。
21 浅香丸(日本郵船:7398総トン)
1937年完成、44年10月戦没。模型は43年春、海軍特設巡洋艦の状態。
22 長良丸(日本郵船:7149総トン)
1934年完成、42年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
23 能代丸(日本郵船:7189総トン)
1934年完成、44年9月戦没。模型は42年、海軍特設巡洋艦の状態。
日本海運界が誇った優秀貨物船のうち、日本郵船からは6隻を紹介します。郵船は姉妹船の頭文字を統一する慣習があり、新型貨物船は「長良丸」「能代丸」などのN型6隻、「粟田丸」「浅香丸」などのA型5隻、「佐渡丸」「相良丸」などのS型7隻がありました。
24 対馬丸(日本郵船:6754総トン)
1914年完成、44年8月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
1944年夏、沖縄から本土への学童疎開輸送中に潜水艦の攻撃を受け、多数の子供達とともに沈んだ「対馬丸」。大正初めにイギリスで建造された、旧式貨物船でした。戦時中は陸軍に徴用され、船倉に居住区を設けて兵隊を輸送する任務についていました。疎開輸送もその合間に行われたもので、模型は当時の記録に基づき最終時の武装状態としてあります。
25 延長丸(日本郵船:6888総トン)
1944年完成、終戦時残存。模型は完成時、応急油槽船の状態。
戦争が長引くにつれて船舶の損失は激しく増え、軍事作戦にも国民生活にも深刻な影響が出るようになります。これに対し、戦時標準船舶という設計を可能な限り簡易化した船が設計され、あらゆる造船所で大量生産されました。「延長丸」もその1隻で、他の船より明らかに大雑把なつくりがわかるでしょう。これらの船は性能が悪く故障がちで、現場での評判もよくありませんでした。どちらにしても、圧倒的な連合軍の戦力の前には戦時標準船の大量生産も焼け石に水でしかなかったのです。
26 山陽丸(大阪商船:8360総トン)
1930年完成、44年5月戦没。模型は42年、海軍特設水上機母艦の状態。
27 南海丸(大阪商船:8416総トン)
1933年完成、44年9月戦没。模型は42年秋、海軍特設運送船の状態。
28 綾戸山丸(三井船舶:9788総トン)
1941年完成、42年7月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
29 吾妻山丸(三井船舶:7622総トン)
1933年完成、42年10月戦没。模型は最終時、海軍特設運送船の状態。
30 金華丸(国際汽船:9306総トン)
1938年完成、44年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
31 香椎丸(国際汽船:8417総トン)
1936年完成、44年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
32 清澄丸(国際汽船:8613総トン)
1934年完成、44年2月戦没。模型は42年末、海軍特設巡洋艦の状態。
1930年に完成した「山陽丸」らは、従来北米西岸から鉄道を介していた北米東岸向けの貨物を、高速輸送船を使いパナマ運河経由でより早く直接一貫輸送するという新機軸を打ち出して大成功を収めます。他社も次々とこれに追随するようになり、政府の後押しもあって同様の優秀貨物船が多数建造されました。これら戦前海運界の花形たちも、やはり有事の徴用が前提となっており、将来砲座を置くための下準備などがされていました。そして太平洋戦争では予定通り全て陸海軍に徴用され、重要な任務に投入されて壊滅的打撃を受けるのです。
33 神川丸(川崎汽船:6853総トン)
1937年完成、43年5月戦没。模型は42年秋、海軍特設水上機母艦の状態。
34 聖川丸(川崎汽船:6862総トン)
1937年完成、終戦時残存(着底)。模型は42年、海軍特設水上機母艦の状態。
35 君川丸(川崎汽船:6863総トン)
1937年完成、44年10月戦没。模型は42年秋、海軍特設水上機母艦の状態。
36 国川丸(川崎汽船:6863総トン)
1937年完成、45年5月戦没。模型は42年、海軍特設水上機母艦の状態。
37 宏川丸(川崎汽船:6872総トン)
1940年完成、42年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
これら川崎汽船の5隻も、郵船N〜S型や商船、三井、国際の各船と肩を並べる戦前のベストシップたちです。前の4隻の頭文字が「神聖君国」となる命名にも、船主の意気込みが感じられます。特に「君川丸」の写真が多く残っているため、軍艦ファンにもよく知られています。ちなみに、このクラスや郵船S型は、建造当時のパナマ運河通行規定の関係で総トン数を下げるような設計処理がされており、実際は国際汽船「金華丸」、三井船舶「綾戸山丸」とほぼ同じ船体寸法でした。
38 鬼怒川丸(東洋海運:6936総トン)
1938年完成、42年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
39 球磨川丸(東洋海運:7510総トン)
1934年完成、45年1月戦没。模型は最終時、海軍特設給油艦の状態。
40 高栄丸(高千穂商船:6774総トン)
1934年完成、終戦時残存。模型は44年夏、海軍特設敷設艦の状態。
41 山月丸(山下汽船:6438総トン)
1937年完成、42年11月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
42 新興丸(橋本汽船:6479総トン)
1935年完成、44年10月戦没。模型は41年末、海軍特設敷設艦の状態。
43 善洋丸(東洋汽船:6441総トン)
1937年完成、42年8月戦没。模型は最終時、陸軍輸送船の状態。
44 五洋丸(五洋商船:8469総トン)
1939年完成、44年2月戦没。模型は最終時、応急油槽船の状態。
最優秀の高速貨物船と並行して、やや控えめの性能ながら経済性を重視した中堅貨物船も建造されました。これらは造船所側が一定の規格品を設計し、いくつかの船会社が同じ形の船を持つ場合もありました。今回展示した模型は、制作時期によって多少の違いがあるのですが、「山月丸」「新興丸」「善洋丸」がその典型例となります。このような規格化は次第に国家的なものとなり、様々なサイズの船について統一された標準船型が生み出されることになるのです。
45 雄鳳丸(飯野海運:5226総トン)
1943年完成、44年11月戦没。模型は最終時、海軍特設給油艦の状態。
46 東亜丸(飯野海運:10052総トン)
1934年完成、43年11月戦没。模型は41年末、海軍特設給油艦の状態。
47 せりあ丸(三菱汽船:10238総トン)
1944年完成、45年7月戦没。模型は45年初頭の状態。
この3隻はタンカーです。当時のタンカーが現在と大きく異なるのは、有事に徴用して艦隊に随伴させる前提で設計されていた点です。「東亜丸」はその代表例で、高速を発揮できるという特徴を持っていました。太平洋戦争では「雄鳳丸」や「せりあ丸」のような簡易設計の船が多数建造されましたが、石油問題が日本の弱点であることを見抜いた連合軍はタンカーを優先的に攻撃したため、その損失率もきわめて高かったのです。
48 あきつ丸(日本海運:9186総トン)
1942年完成、44年11月戦没。模型は42年末の状態。
49 にぎつ丸(日本海運:9547総トン)
1943年完成、44年1月戦没。模型は最終時の状態。
50 摩耶山丸(三井船舶:9433総トン)
1942年完成、44年11月戦没。模型は完成時の状態。
この3隻は、陸軍が建造させた上陸作戦用の特殊な船です。船内がぶち抜きの上陸用舟艇格納庫になっており、船尾のハッチを開いてそれらを次々と発進させることができました。さらに「あきつ丸」は飛行甲板を持っており、占領した飛行場に手早く航空機を送り込む役割を持っていたのです。当時は世界的に例を見ない第1級の秘密兵器で、一般商船とは少し立場の違う船ですが、これらは指定された船会社から拠出された要員によって運航されていた点なども考え、今回の展示に組み入れました。
〜おわりに〜
本来の存在意義からすればまったく不本意な、戦争への関与を強いられた商船たち。しかし、地道ながら重要な役割を担ったにもかかわらず、その実績に対する正当な評価さえされていないのが実情です。戦争中の商船の実態は、軍艦と商船のどちらの立場からも省みられないまま、遠い歴史のかなたに消え去ろうとしているのです。戦争とは何か、平和とは何かを考える上で、このような問題に思いをはせるのも、また意義のあることではないでしょうか。
「戦没した船と海員の資料館」
神戸市中央区海岸通3−1−6
海員組合関西地方支部2F
(ポートタワーの近所)
こちらは通常、平日日中のみの開館となっています。ただし、
団体で入館申込をされましたら休日でもあけてくださるそうです。
<戦時輸送船模型展2004 'Rosebury Yard in SHIZUOKA'>
2004年11月20・21日:於静岡ツインメッセ・タミヤフェアー2004「第三回艦船模型合同展示会」
戦時輸送船模型展示リスト
2004秋:於静岡・タミヤフェアー2004内「第三回艦船模型合同展」
<展示配置図>
若干順番が前後する部分がありますがご了承ください。
15 新田 |
20 満珠 |
70 宗谷 |
29 華山 |
36 能代 |
39 北陸 |
59 まがね |
48 宏川 |
53 鬼怒川 |
58 五洋 |
62 延長 |
69 三図南 |
14 白山 |
19 ぶえのす |
26 浮島 |
28 長寿山 |
35 那古 |
38 南海 |
43 衣笠 |
47 国川 |
52 最上川 |
57 山霧 |
61 江戸川 |
68 ありあけ |
13 靖国 |
18 りお |
23 護国 |
27 北京 |
34 長良 |
37 山陽 |
42 清澄 |
46 君川 |
51 球磨川 |
56 新興 |
60 久川 |
67 雄鳳 |
12 日枝 |
17 三池 |
22 愛国 |
25 めきしこ |
31 佐渡 |
33 浅香 |
41 吾妻山 |
45 聖川 |
50 信濃川 |
55 慶洋 |
64 日本 |
66 せりあ |
11 平安 |
16 安芸 |
21 報国 |
24 ありぞな |
30 相良 |
32 粟田 |
40 綾戸山 |
44 神川 |
49 高栄 |
54 善洋 |
63 東亜 |
65 あけぼの |
5 あきつ |
6 にぎつ |
7 摩耶山 |
8 阿波 |
9 氷川 |
10 対馬 |
||||||
1 金華 |
2 香椎 |
3 能登 |
4 高津 |
||||||||
<多号第二次輸送>
大戦末期における陸軍軍隊輸送船史のクライマックス、1944年11月実施されたレイテ島強行輸送作戦の参加船を、可能な限りの考証で精密に再現。
1 金華丸(国際汽船:9306総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
当時の最精鋭貨物船のひとつで、独製レーダーを搭載していたといわれています。
2 香椎丸(国際汽船:8417総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
陸軍軍隊輸送船としては最も鮮明な写真が残っている船として有名。
3 能登丸(日本郵船:7185総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
姉妹船6隻が陸海軍に折半された郵船N型の1隻。金属製スライド式ハッチカバーが特徴。
4 高津丸(山下汽船:5656総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
唯一建造された5000総トン級舟艇母船。特徴的なΛ型後部マストを示す写真は現在も未発掘です。
<陸軍特殊船>
船尾のハッチから上陸用舟艇を発進させる舟艇母船で、現在の強襲揚陸艦のルーツというべき船。あまりに特異な立場ゆえ、今なお正当な研究評価をされていません。
5 あきつ丸(日本海運:9186総トン)・・・陸軍輸送船/1942年末頃
特殊船に航空機の発進能力まで持たせた、文字通り異端の船。のちに軽便護衛空母となります。
6 にぎつ丸(日本海運:9547総トン)・・・陸軍輸送船/1944年2月(最終時)
その姿に関する現存資料が一切ない幻の特殊船を、目撃者である上田画伯のイラストをもとに再現。
7 摩耶山丸(三井船舶:9433総トン)・・・陸軍輸送船/1942年12月(新造時)
スタンダードな舟艇母船の1番船で、近年発表された公式図面に基づき製作しました。
<歴史に残る商船>
悲劇の舞台として語られる運命を負わされてしまった商船たち。しかし、私たちはその実態を直視することに誇りを持ちたいものです。「阿波丸」は、今夏NHKで放送されたドラマ「シェエラザード」のモデルです。
8 阿波丸(日本郵船:11249総トン)・・・船舶運営会使用船/1945年4月(最終時)
連合軍捕虜への救恤品輸送船として航海の安全を保障されていながら、米潜水艦に撃沈されたことで知られます。
9 氷川丸(日本郵船:11622総トン)・・・海軍特設病院船/1943年
病院船となったため大戦を生き残り、現在も横浜港に係留されて港町の顔として親しまれている船です。
10 対馬丸(日本郵船:6754総トン)・・・陸軍輸送船/1944年8月(最終時)
沖縄から本州への学童疎開輸送中に撃沈。60年目の今年、対馬丸記念館がオープンしました。
<その他のラインナップ>
戦前の商船建造は助成金を介して軍備と密接な関係を持っており、優秀船舶は戦時に徴用される宿命を持っていました。海軍はこれらの船を、あらかじめ用意されていた計画に基づいた改造を加えて使いました。一方、陸軍徴用船の装備は一般的にその場しのぎの傾向が強く、実態解明をいっそう困難なものとしています。
11 平安丸(日本郵船:11616総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1943年6月
「氷川丸」の姉妹船で、潜水艦部隊の後方支援を担当。残骸は今もチューク(トラック)環礁に沈んでいます。
12 日枝丸(日本郵船:11621総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1942年
同じく「氷川丸」の姉妹船。太平洋戦争開始後に「平安丸」と同様の改装を受けました。
13 靖国丸(日本郵船:11933総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1943年
「氷川丸」と同時期に建造された欧州航路の貨客船で、作例も同船の市販模型を改造したものです。
14 白山丸(日本郵船:10380総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
第一次大戦直後に建造された欧州航路の貨客船。緒戦では前進基地の港湾業務を支援しました。
15 新田丸(日本郵船:17200総トン)・・・海軍特設運送船/1942年初頭
戦前就航した最大最新の豪華客船ですが、開戦後まもなく事前計画通り航空母艦「冲鷹」に改造されます。
16 安芸丸(日本郵船:11409総トン)・・・陸軍輸送船/1944年7月(最終時)
「安芸丸」の姉妹船。建造中に船室甲板を1段減らされ、扁平な姿になってしまいました。「阿波丸」の準姉妹船でもあります。
17 三池丸(日本郵船:11738総トン)・・・陸軍輸送船/1943年
「氷川丸」と交代するため建造された最新の貨客船でしたが、就航することなく軍事転用されました。
18 りおでじやねろ丸(大阪商船:9626総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1942年5月
「満珠丸」の拡大改良型。最近発表された戦時写真をもとに市販のレジンキットをディテールアップ。
19 ぶえのすあいれす丸(大阪商船:9625総トン)・・・陸軍輸送船/1942年夏
「りおでじやねろ丸」の姉妹船ですが、戦時中は陸軍が使用。陸軍は国際条約の規定を受けない臨時病院船も運用しました。
20 満珠丸(大阪商船:7267総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1942年
「さんとす丸」の名で就航した南米移民船で、1941年に改名したあとも現場では旧名で呼ばれたといわれます。
21 報国丸(大阪商船:10438総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年11月(最終時)
特設軍艦で最も攻撃的な役割を担う特設巡洋艦。最近まで姉妹船と写真が取り違えられていました。
22 愛国丸(大阪商船:10438総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年12月
「報国丸」の姉妹船で、同船の沈没まで行動をともにしました。現在チューク環礁の沈船のひとつ。
23 護国丸(大阪商船:10438総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年8月(竣工時)
「報国丸」型のひとつで、戦時中に竣工したためデリックポストの減少などがおこなわれていました。
24 ありぞな丸(大阪商船:9683総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
第一次大戦直後に完成した、比較的クラシックな姿の貨客船です。太平洋戦争開始当時、最も重武装の陸軍船のひとつでした。
25 めきしこ丸(大阪商船:5785総トン)・・・陸軍輸送船/1944年8月(最終時)
第一次大戦前の旧式貨客船ですが、占領地間の兵站輸送に重宝されました。
26 浮島丸(大阪商船:4731総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年夏
終戦直後に朝鮮人帰国者を輸送中、機雷に触れて沈んだことで知られる船。シーレーンの保護任務につきました。
27 北京丸(大連汽船:2266総トン)・・・海軍特設砲艦/1943年
旧満州の沿岸貨客船で、航路事情に合わせた特徴の多い船でした。戦時中は作例よりも大規模な改装を施した可能性も。
28 長寿山丸(朝鮮郵船:2131総トン)・・・海軍特設砲艦/1941年
典型的な近海航路貨客船のひとつ。戦時中は海上護衛総司令部の護衛艦として活躍しました。
29 華山丸(東亜海運:2089総トン)・・・海軍特設砲艦/1945年
中国沿岸用の貨客船。「北京丸」「長寿山丸」と同じく海上護衛の第一線で戦い、終戦まで生き残りました。
30 佐渡丸(日本郵船:7189総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
郵船の代表的貨物船S型の1隻。ガダルカナル島への強行輸送作戦に2度参加しています。
31 相良丸(日本郵船:7189総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年6月
郵船S型の1隻で、大胆な迷彩がよく知られています。改造の程度も「君川丸」よりはるかに大規模。
32 粟田丸(日本郵船:7397総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年末
日本本土への敵艦の接近を監視する漁船部隊の指揮艦。背の高い通信マストと、ドイツ艦に似た迷彩塗装が目を引きます。
33 浅香丸(日本郵船:7398総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1943年4月
「粟田丸」と同じく郵船A型の1隻で、同じ任務を交代で務めました。より軍艦的な姿となった大戦中期の状態を再現。
34 長良丸(日本郵船:7149総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
日本郵船の新鋭貨物船の先頭を切って竣工した船。ガダルカナル島第二次強行輸送でも1番船となりました。
35 那古丸(日本郵船:7139総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
郵船N型に属し、「長良丸」「能登丸」と同型です。大戦前期と後期の迷彩塗装の相違を見比べてください。
36 能代丸(日本郵船:7184総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1941年12月
郵船N型のうち海軍が徴用した船のひとつ。推定作例ですが、用途による固有装備の変更も重要な検討要素。
37 山陽丸(大阪商船:8360総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年末
戦前の高速優秀貨物船の嚆矢として商船史上重要な「畿内丸」クラス。本船は水上機母艦となりました。
38 南海丸(大阪商船:8416総トン)・・・海軍特設運送船/1942年10月
「畿内丸」クラスのひとつ。第一次ガダルカナル強行輸送の状態で、陸海軍の武装や鹵獲品の機銃など、多彩な装備に注目。
39 北陸丸(大阪商船:8365総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
本船を含め「畿内丸」クラス6隻は戦時中全て海軍が徴用し、前線輸送に活躍しました。
40 綾戸山丸(三井船舶:9788総トン)・・・陸軍輸送船/1942年7月(最終時)
戦前の日本海運界を代表する優秀貨物船。流線型の垢抜けたデザインだけに、武装がいっそう不釣合いです。
41 吾妻山丸(三井船舶:7622総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
三井船舶最初の優秀貨物船ですが、すでに同社特有のデザインセンスが見られます。
42 清澄丸(国際汽船:8613総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年12月
「報国丸」とともに通商破壊部隊に配属された特設巡洋艦。最も重武装の徴用船でした。
43 衣笠丸(国際汽船:8407総トン)・・・海軍特設運送船/1942年6月
「香椎丸」の姉妹船で、日中戦争では水上機母艦として行動。作例はミッドウェイ海戦時で、陸軍の機銃を積んでいます。
44 神川丸(川崎汽船:6853総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年秋
川崎汽船の優秀貨物船で、姉妹船4隻の頭文字が「神聖君国」。本船は日中戦争初期から水上機母艦となりました。
45 聖川丸(川崎汽船:6862総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年
「神川丸」の姉妹船。新造時はほとんど見分けがつかないほどでしたが、改造後は多少の違いがあったようです。
46 君川丸(川崎汽船:6863総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年秋
「神聖君国」の1隻で、早くから多数の写真が公開され、艦艇ファンの知名度が最も高い特設艦船のひとつです。
47 国川丸(川崎汽船:6863総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年末
「神聖君国」の最終船で、他の3隻に続いて戦時中に水上機母艦となりました。
48 宏川丸(川崎汽船:6872総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
「神聖君国」の追加建造分。「モデルグラフィックス」誌の商船連載で最初に扱った船です。
49 高栄丸(高千穂商船:6774総トン)・・・海軍特設敷設艦/1944年夏
中堅クラスの貨物船を改造した機雷敷設艦。終戦まで生き残った幸運な1隻です。
50 信濃川丸(東洋海運:7504総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
「高栄丸」の準姉妹船で、最優秀船より若干速度を落として経済性を売り物にしたグループのひとつです。
51 球磨川丸(東洋海運:7510総トン)・・・海軍特設運送船/1945年1月(最終時)
「信濃川丸」の姉妹船です。緒戦で各地の上陸作戦に参加し、最終時は応急改造タンカーでした。
52 最上川丸(東洋海運:7496総トン)・・・海軍特設航空機運搬艦/1943年春
やはり「信濃川丸」の姉妹船。水上機母艦の補助的な役割を持つのが航空機運搬艦です。
53 鬼怒川丸(東洋海運:6936総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
「信濃川丸」の準姉妹船で、ガダルカナル島の海岸に乗り上げた姿が有名です。
54 善洋丸(東洋汽船:6441総トン)・・・陸軍輸送船/1942年6月
「新興丸」グループのひとつ。武装の一部を海軍船に移乗させたミッドウェイ海戦当時の状態を再現しました。
55 慶洋丸(東洋汽船:6441総トン)・・・海軍特設航空機運搬艦/1943年4月
「善洋丸」の姉妹船。こちらは海軍が徴用しましたが、武装の都合で船尾のデリックポストを移設しています。
56 新興丸(橋本汽船:6479総トン)・・・海軍特設敷設艦/1942年
「信濃川丸」と同レベルの中堅貨物船で、本船も機雷敷設艦となりました。
57 山霧丸(山下汽船:6438総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
「新興丸」の準姉妹船。作例の迷彩はサンプル程度のものですが、このような複雑なパターンも多用されたようです。
58 五洋丸(五洋商船:8469総トン)・・・船舶運営会使用船/1944年2月(最終時)
優秀船のノウハウを転用した中速貨物船で、「神聖君国」とよく似た外見が特徴です。作例は応急改造タンカーの状態。
59 まがね丸(日本海運:3120総トン)・・・海軍特設砲艦兼敷設艦/1942年
典型的な小型貨物船。パトロールが主任務の特設砲艦には、本船のように機雷敷設装備を持つものもありました。
60 久川丸(川崎汽船:6886総トン)・・・陸軍輸送船/1945年1月(最終時)
大戦末期に建造された戦時標準2A型貨物船。徹底的な簡易構造が模型でもよくわかるでしょう。
61 江戸川丸(日本郵船:6938総トン)・・・陸軍配当輸送船/1944年11月(最終時)
戦標2A型のうち、三菱神戸で少数建造された倉口の大きいタイプ。特攻艇を輸送中の最終時を再現しました。
62 延長丸(日本郵船:6888総トン)・・・船舶運営会使用船/1945年1月
戦時中はタンカー不足を補うため多数の貨物船がタンカーに改造されましたが、本船もそのひとつ。
63 東亜丸(飯野海運:10052総トン)・・・海軍特設運送船/1943年
艦隊タンカーの標準型として多数の姉妹船が建造された船。徴用後の細かい装備変更も可能な限り再現しました。
64 日本丸(山下汽船:9974総トン)・・・海軍特設運送船/1943年6月
「東亜丸」クラスの1隻で、各所に若干の変更点があります。艦船ファンに比較的知名度の高い船。
65 あけぼの丸(日本海運:10121総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
建造所は違いますが、実質的に「東亜丸」の準姉妹船です。
66 せりあ丸(三菱汽船:10238総トン)・・・船舶運営会使用船/1945年1月
戦時標準2TL型タンカー。民需船として航路途絶間近のシンガポールから生還を果たした当時を再現しています。
67 雄鳳丸(飯野海運:5226総トン)・・・海軍特設運送船/1944年11月(最終時)
戦標1TM型。もともと民間用の設計ですが、本船のように海軍給油船として重要な働きをしたものもあります。
68 ありあけ丸(日本海運:5149総トン)・・・船舶運営会使用船/1943年5月(新造時)
戦時標準1TM型タンカーの1番船。従来の船とは異なる直線的なデザインが特徴です。
69 第三図南丸(日本水産:19209総トン)・・・海軍特設運送船/1943年
英国から図面を導入して建造された捕鯨母船で、当時は国内最大級の商船でした。サイズ、スタイルとも独特。
70 宗谷(海軍運送艦:基準排水量3800トン/海上保安庁南極観測船:2722総トン)
今回の展示にちなみ、初代南極観測船として名高い「宗谷」の海軍時代の自作作例を紹介します。
<戦時輸送船模型展2005 'Rosebury Yard in SHIZUOKA II '>
2005年5月14・15日:於静岡ツインメッセ・静岡ホビーショー2005「第16回モデラーズクラブ合同作品展」
戦時輸送船模型展示リスト
<展示配置図>
若干順番が前後する部分がありますがご了承ください。
<ナモ103船団>
学童疎開に従事中米潜水艦の攻撃を受け、悲劇の最期を遂げた「対馬丸」。終戦60年企画として、同船が最後に参加した船団ナモ103の完全再現を試みました。
1 対馬丸(日本郵船:6754総トン)・・・陸軍輸送船/1944年8月(最終時)
2 和浦丸(三菱汽船:6804総トン)・・・陸軍輸送船/1944年8月
3 暁空丸(拿捕船:6854総トン)・・・陸軍輸送船/1944年8月
4 宇治(砲艦)・蓮(駆逐艦)・・・海軍・支那方面艦隊/1944年8月
<海軍高速タンカー>
日本海軍は有事の艦隊随伴用給油艦を民間に建造保有させておく方策をとりました。各タイプをラインアップし、開発の足跡を概観。
5 帝洋丸(日東汽船:9849総トン)・・・海軍特設運送船/1943年
6 東亜丸(飯野海運:10052総トン)・・・海軍特設運送船/1943年
7 日本丸(山下汽船:9974総トン)・・・海軍特設運送船/1943年6月
8 あけぼの丸(日本海運:10121総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
9 日章丸(昭和タンカー:10526総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
10 音羽山丸(三井船舶:9233総トン)・・・船舶運営会/1944年12月(最終時)
<陸軍特殊船>
船尾のハッチから上陸用舟艇を発進させる舟艇母船で、現在の強襲揚陸艦のルーツというべき船。
11 あきつ丸(日本海運:9186総トン)・・・陸軍輸送船/1942年末頃
12 にぎつ丸(日本海運:9547総トン)・・・陸軍輸送船/1944年2月(最終時)
13 摩耶山丸(三井船舶:9433総トン)・・・陸軍輸送船/1942年12月(新造時)
<多号第二次輸送>
大戦末期における陸軍軍隊輸送船史のクライマックス、1944年11月実施されたレイテ島強行輸送作戦の参加船を精密再現。
14 金華丸(国際汽船:9306総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
15 香椎丸(国際汽船:8417総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
16 能登丸(日本郵船:7185総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
17 高津丸(山下汽船:5656総トン)・・・陸軍輸送船/1944年11月(最終時)
<歴史に残る商船>
「対馬丸」と同様に悲劇の舞台となった船、歴史の語り部として今に残る船。「宗谷」も収録。
18 阿波丸(日本郵船:11249総トン)・・・船舶運営会/1945年4月(最終時)
19 氷川丸(日本郵船:11622総トン)・・・海軍特設病院船/1943年
20 宗谷(海軍運送艦:基準排水量3800トン/海上保安庁南極観測船:2722総トン)
<貨客船>
飛行機がまだ発達していなかった時代に人の往来を支えたパッセンジャーライナーの数々。
21 安芸丸(日本郵船:11409総トン)・・・陸軍輸送船/1944年7月(最終時)
22 平安丸(日本郵船:11616総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1943年6月
23 靖国丸(日本郵船:11933総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1943年
24 白山丸(日本郵船:10380総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
25 報国丸(大阪商船:10438総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年11月(最終時)
26 護国丸(大阪商船:10438総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年8月(竣工時)
27 高砂丸(大阪商船:9315総トン)・・・海軍特設病院船/1943年
28 鴨緑丸(大阪商船:7363総トン)・・・船舶運営会/1944年12月(最終時)
29 ありぞな丸(大阪商船:9683総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
30 満珠丸(大阪商船:7267総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1942年
31 りおでじやねろ丸(大阪商船:9626総トン)・・・海軍特設潜水母艦/1942年5月
32 浮島丸(大阪商船:4731総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年夏
<ニューヨークライナー>
北米東岸航路でしのぎを削った高速優秀貨物船は、戦時の危険な任務が約束されていたのです。
33 佐渡丸(日本郵船:7189総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
34 相良丸(日本郵船:7189総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年6月
35 粟田丸(日本郵船:7397総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年末
36 浅香丸(日本郵船:7398総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1943年4月
37 那古丸(日本郵船:7139総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
38 長良丸(日本郵船:7149総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
39 山陽丸(大阪商船:8360総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年末
40 南海丸(大阪商船:8416総トン)・・・海軍特設運送船/1942年10月
41 綾戸山丸(三井船舶:9788総トン)・・・陸軍輸送船/1942年7月(最終時)
42 吾妻山丸(三井船舶:7622総トン)・・・海軍特設運送船/1942年
43 清澄丸(国際汽船:8613総トン)・・・海軍特設巡洋艦/1942年12月
44 衣笠丸(国際汽船:8407総トン)・・・海軍特設運送船/1942年6月
45 神川丸(川崎汽船:6853総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年秋
46 聖川丸(川崎汽船:6862総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年
47 君川丸(川崎汽船:6863総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年秋
48 国川丸(川崎汽船:6863総トン)・・・海軍特設水上機母艦/1942年末
<その他>
日本の海運を支えた各種貨物船。第一次大戦型から太平洋戦争の戦時標準船まで、大小各種そろえました。
49 高栄丸(高千穂商船:6774総トン)・・・海軍特設敷設艦/1944年夏
50 球磨川丸(東洋海運:7510総トン)・・・海軍特設運送船/1945年1月(最終時)
51 鬼怒川丸(東洋海運:6936総トン)・・・陸軍輸送船/1942年11月(最終時)
52 五洲丸(五洋商船:8592総トン)・・・海軍特設航空機運搬艦/1943年秋
53 新興丸(橋本汽船:6479総トン)・・・海軍特設敷設艦/1942年
54 善洋丸(東洋汽船:6441総トン)・・・陸軍輸送船/1942年6月
55 ちゃいな丸(川崎汽船:5832総トン)・・・陸軍輸送船/1941年12月
56 まがね丸(日本海運:3120総トン)・・・海軍特設砲艦兼敷設艦/1942年
57 江戸川丸(日本郵船:6938総トン)・・・陸軍配当輸送船/1944年11月(最終時)
58 雄鳳丸(飯野海運:5226総トン)・・・海軍特設運送船/1944年11月(最終時)
59 せりあ丸(三菱汽船:10238総トン)・・・船舶運営会使用船/1945年1月
60 第三図南丸(日本水産:19209総トン)・・・海軍特設運送船/1943年
<戦時輸送船模型展2006 'Rosebury Yard in SHIZUOKA III '>
2006年5月20・21日:於静岡ツインメッセ・静岡ホビーショー2006「第17回モデラーズクラブ合同作品展」
Rosebury Yard Presents 'HINOMARU FLEET GALLERY' in Model Graphix 50th Memorial 静岡ホビーショー第17回模型クラブ合同展展示解説 |
1 陸軍防空船
The Anti-Aircraft Key Ship of IJA Shipboard Artillery Regiments in December
1941
展示数8隻(手前のエリア)
神州丸 | 佐渡丸 | 宏川丸 | 熱田山丸 | ありぞな丸 | 善洋丸 | 靖川丸 | 佐倉丸 |
太平洋戦争の開始に伴い、日本陸軍は徴用船舶の自衛を任務とする船舶砲兵連隊を設立しました。おもな装備が高射砲だったため当初は船舶高射砲連隊と呼ばれていましたが、まもなく船舶砲兵連隊と改称。実際は機関銃や野砲、爆雷、のちにはレーダーなどの新兵器も一手に扱った組織です。当初は装備が整わなかったため、太平洋戦争開始直後の上陸作戦では各方面に武装を集約装備した船を配置し、他船の援護をさせる方策が採られていました。これが防空基幹船と呼ばれるものです。合計8隻が用意されましたが、このような船の存在はあまり知られておらず、最新の文献でも内容が不正確なようです。今回はもっとも信頼性の高いと思われる資料「船舶砲兵連隊史」をもとに、これら8隻全ての再現を試みました。
2 タンカー列伝
A Group of Japanese Tankers in the World War Two
展示数15隻(左側のエリア)
霧島丸 | 愛宕丸 | 戸畑丸 | 雄鳳丸 | 第三図南丸 |
東亜丸 | あけぼの丸 | 音羽山丸 | 橋立丸 | しまね丸 |
帝洋丸 | 日本丸 | 日章丸 | みりい丸 | 速吸 |
日本海軍は大正末期、主力艦艇の燃料を石炭から重油に転換したのと相前後して洋上給油に興味を持つようになりました。このような任務に充当するタンカーには、通常の陸上施設への備蓄輸送と違って艦隊に随伴できる高速力が求められます。予算の制約で思い通りに給油艦を建造できない海軍は、経済性と矛盾する新たな要望を満たすため、民間船会社にあの手この手の助成をして優秀船を建造保有させ、戦争が始まるとその大半を徴用したのです。それでも戦時中はタンカーが不足し、戦時標準型の建造だけでなく普通の貨物船も改造して石油輸送をさせました。しかし、油が日本の泣き所であることを熟知していた連合軍はタンカーを集中攻撃し、ほとんどの船が撃沈されてしまったのです。ある意味では太平洋戦争の中心的な役どころにあった日本油槽船隊の実態を、バラエティー豊かなラインナップで紹介します。
3 海軍特設艦船
The Navy Auxiliary Vessels
展示数18隻(右側のエリア)
捕鯨船 | 吾妻山丸 | 南海丸 | 白山丸 | 高砂丸 |
華山丸 | 新京丸 | 高栄丸 | 平安丸 | 靖国丸 |
報国丸 | 粟田丸 | 君川丸 | 相良丸 | 五洲丸 |
タンカーに限らず、戦前の日本における造船は海軍軍備と密接な関係を持っていました。海外航路の大型貨客船や貨物船は戦時に補助的軍艦としての利用価値が見込まれていたため、明治時代から積極的に建造や運航に対する国家支援が施されました。昭和になると、技術進歩で軍艦の性能が高まる一方、軍縮条約による軍備制限が重大視されたこともあって、商船の設計に対する軍部の口出しが次第にエスカレートしていきます。太平洋戦争が始まると、めぼしい船は周到な事前計画に基づいて次々と徴用され、様々な軍事役務を任されました。第一線の本格的軍艦の華々しさに隠れてほとんど注目されませんが、これら特設艦船は近代戦における冷徹な数の論理を支えるための、きわめて重要なファクターだったのです。当サイトではこれからも、そのような陰の立役者たちに光を当て続けます。
<その他の展示>
2003、2004両年5月の「静岡ホビーショー」では、「喫水線の会」さんの展示スペースに数隻を参考展示させていただきました。このほか、大阪の模型店「ホビーランド」さんで不定期に展示させていただいております。展示のご要望や展示会のお誘いなどもお待ちしております。