Hajaセンター



Hajaセンターパンフ         :訳 木村衣月子 2003.3.1

Hajaセンター

仕事と遊びと自律のための職業体験センター

SYFAC(ソウル特別市青少年オルタナティヴ職業体験センター)



10代は、人的資源であって問題ではない

Hajaセンターとは

Haja(http:/haja.net)は、ソウル市が延世大学に運営委託した青少年センターです。
1999年12月に開設され、正式には、「ソウル特別市青少年オルタナティヴ職業体験センター」 といいます。
「自分を高めよう」、「やりたいことをやろう」、「自律と共生が原則」がモットーで、
「21世紀若者文化ワークショップ」とか「ハジャ(韓国語でやってみよう!の意)センター」と呼ばれています。
このセンターが設立された背景には、1997年のIMF経済危機があります。 この突然の不況と失業は、若年層の失業という深刻な問題をもたらし、人文系の教育を受けた人たちや文化的な
分野で働く人たちに、より大きな打撃を与えました。

趙 恵貞(チョウ へジョン)現センター長は、高学歴層と10代の若年層の失業の増加に対して、 解決策を見出そうとしました。 結果的に、ソウル市の文化領域で有能な若者の成長を助けるというニーズに合致したのです。
 ソウル特別市に以前からあった「勤労青年自治会館」は、「職業訓練センター」、 「カウンセリングセンター」、「情報文化センター」に別れていましたが、1999年春から公募によって、大学と団体に委託されることになりました。
 「職業訓練センター」は、延世大学の青年文化研究センターに委託されました。


自分自身を高めよう。

原則
  ・自分を高めよう。
  ・やりながら、学ぼう。
  ・問題を解決しながら、学ぼう。
  ・情報を共有し、発信しよう。
  ・Naming myself:自分を表現し(名付け)よう。

  ハジャでよく知られているこれらの標語は、ハジャの10代の子どもたちが体得している
 生きた学びの原則です。これらの原則は以下のような規約に書かれています。

七つの規約
 1.やりたいことをやろう、やらなくてはならないことをやりながら。
 2.年齢・性別・学歴・宗教によって差別してはいけません。
 3.いかなる暴力も禁じます。
 4.自分のことは自分でしよう / 分をわきまえることを学ぼう。
 5.情報と資源はみんなのもの。
 6.他人の立場に立って考えることを学ぼう / 熟慮と善意。
 7.約束を守ろう / 守れない約束はやめよう。

  パンドリと プロジェクト
「パンドリ」と「プロジェクト」という二つの言葉は、naming myself の原則を よく表している。
namingに価値があると考えて、スタディオの若者と若い指導者は、自分たちの関係を「先生」と「生徒」という上下関係ではなく、 修行における「職人」と「見習い」の関係ように見なし、「パンドリ」という言葉を作り出した。
「パンドリ」は、韓国語では「場を動かす人」の意味であり、パンドリ は講義したり、「教えたり」するというよりも、若者と一緒に計画したプロジェクト に参加するのであり、学びの過程は相互的である。


社会資源を
教育手段に


 

                                    e-Haja
                    (仕事と遊びの結合_ビジネスの孵卵器)
                                        
                                        
                                        
                                Haja生産場学校
                                        

          Haja自治大学                                   5 Factories
   (生き生きした人間性の探求)              (専門家の援助による実験的な学び)



Hajaの最初の1年で、5つの文化スタヂオ(工房)とHaja自治大学とe-Hajaが10代の若者の 新しいライフスタイルを創り出す。 そこでは、仕事と遊びと自己訓練がひとつになっています。
様々な専門分野のたくさんの人たちがHajaの友人となり、若者を導き、成長期の社会的興味の高めようと尽力しています。
2001年9月、これらの努力が実って、「Haja生産場学校」がオープンしました。


体験的な学び

5つの工房(Factories)
  :「生活デザイン」「映像」「ポピュラー音楽」「インターネット」「市民文化」

Hajaセンターのこれらの5つの工房(しばしばスタディオと呼ばれる)では、たくさんのプロジェクトが進行中です。  400人以上の10代の若者が、今ほんとうにやりたいか、将来やってみたくなりそうなプロジェクトに参加して、 全員が互いに教え合い学び合いながら、自分を高めています。

生活デザイン・スタディオでは、
   ヴィジュアルデザインとファッションデザインを学ます。
   若者たちは毎週外に出かけて、「デザインフリーマーケット」の店長となります。
   また「市場荒らし」というプロジェクトで、評判のアーティストに挑戦したり、
   自分たちの作品を「10代の作品展」に出展したりします。

イメージデザイン・スタディオでは、
   たくさんの短編映画やアニメや音楽ヴィデオを制作します。
   年に4回開かれる試写会で彼らの実験的な作品が再上映され、多くの作品が青少年映画
   コンテストで賞をとります。
   彼らはまた、Hajaのプロモーションフィルムや映像ニュースも制作しています。

ポピュラーミュージック・スタディオ には
   最も多くの生徒が属しています。
   彼らは、ストリートコンサートや文化的に孤立した地域への出前コンサートをやっています。
   たくさんの10代のバンドやヒップポップグループが、毎年、自分たちでアルバムを出す
   エネルギッシュなスタディオです。

ウェブ・スタディオでは、
   Hajaのホームページ (http://haja.net)を制作し、管理しています。
   彼らは、アジアで初めて、2000年インターネット・フェスタに参加し、
   自分たちで2ヶ月の「dストーリーフェスティヴァル」を2年続けて開催しています。
   彼らの目的は、21世紀の10代のディジタル・リテラシーをサポートすることです。

市民文化スタディオでは、
   10代は過保護にされたり、管理されるのではなく、有能な市民となるよう訓練されるべきだ
   と考えています。
   中でも「仕事と遊びの人材センター」は、 経済的な自立を目指しています。
   また「フェミニズムにおける少女」は、すべての10代のフェミニストの先駆けとなることで
   しょう。


生きた学び

Haja生産場学校

Haja生産場学校(http://school.haja.net)は、Hajaセンターの中にある、小さな実験的な学校です。
メディアやソウル市長や延世大学評議会の大きな注目浴びて開設されました。
ドロップアウトした子どもたちのための新しい種類の「学校」です。
生徒数は1クラス15〜25人、全体で100人以下で、最低3年間 で卒業します。
厳しいカリキュラムによって、知識を詰め込む公教育機関と異なり、
私たちの学校は、自分に自信を持ち、仕事のできる生徒を育てます。
私たちが「生産場学校」と名付けた理由は、ここにあります。
私たちは今日、生徒たちにとって、このような学校のニーズがますます高まると確信しています。

不幸にも、Haja生産場学校は、まだ完全には公認されていません。
教育と人材開発省は多様化する子どもたちに対応するために、オルタナティヴスクールや、
才能のある子どもたちのための学校をより支援していく方針ではありますが、
これらの私たちの努力に対して、未だに行政上の援助はありません。
今の段階で、教育機関としての完全な権威を求められれば、生産場学校はカリキュラムを存続せていくことができないでしょう。
私たちの カリキュラムの本質は、「生きた学び」です。
学びをどのように革新していくことができるか、以下のプロジェクトにおける単位認定と
生徒-教師の親密な関係によって、具体化されます。

目 的 プロジェクト
自己訓練 7つの規約 / 生産場学校規約
仕事のための学習 スタディオプロジェクト/ インターンシップ/ 卒業プロジェクト
市民となるための学習 人文プロジェクト/ 旅行プロジェクト/ グローバルネットワーク
学習の手段 デジタルリテラシー / 外国語
自己啓発 自己啓発グループ / 壁のない(バリアフリーな)学校


自己訓練と共存
Hajaセンターのすべての場所



     1F          1階は、生産場学校が中心をです。
               10代の店 もあります。
                                デザインフリーマーケット   デザイン・スタディオ1
                 名刺ショップ        デザイン・スタディオ2
                                                           (namecard.haja.net)


   2F          2階は、オフィスからなっています。
                 ウェブ・スタディオ
                 映像デザイン/編集・スタディオ
                 アニメ・スタディオ
                             10代のプランナーのスタディオ は、企画委員会の右隣です。
               ここでは、子どもたちが「フェミニズムにおける少女」のような
               グループプロジェクトを企画しています。
                                (www.gohjunghee.net / njoyalba.net )

                              999クラブは、パフォーマンスのための舞台です。
                               誰でもこの舞台でパフォーマンスができ 毎週週末にはパーティー音楽が
                鳴り響きます。


   3F              3階には、 ポピュラーミュージック・スタディオ
                     ダンス・スタディオ 
                     録音・スタディ
                があります。
                                 (グループ演奏のための空間は、地階にもあります。)
                 小スタディオ群と大会議室と、交流室(異文化と交流できる)
                とヴェランダがHajaの家族を迎えます。
                               無線LANでセンター内のすべてのインターネットにつながります。
                 (www.dstory.net)


haja

Hajaを知りたい人に

Hajaセンターでの学びに興味がある方は週末プログラムにどうぞ参加ください。
プロモーションフィルムを見られます。5つのスタディオ を紹介します。

とき     :毎週水曜日、17:00〜18:00
ところ    :Hajaセンター3階、311号室
問い合わせ: project@haja.or.kr

57,Yeondeungpo-dong 7-ka,Yeondeungpo-ku Seoul,150-137,Korea
http://haja.net
http://school.haja.net


Hajaセンターについて Chun Hyo Kwan 副センター長に聞く
     

2002.11.1 木村衣月子

11月1日 hajaセンター3階のオフィスで、副センター長 のChun Hyo Kwan氏にお話をうかがいました。

Chun Hyo Kwan氏
  青少年文化の研究者。
  延世大学の趙恵貞教授を中心とした「青年文化センター」と一緒に青少年の為の政策
  「青少年憲章」作りに関わる。

Q:どういう経緯でHajaセンターを創られたのですか。

A:先ず、青少年の実態を調査研究した。
  初めは、疎外された子どもたちに対して何かできると思っていた。
 自由に遊べる環境を作ってあげようと考えたが、もう少し生産的なことが必要だった。
 5年前、高2で学校を辞退(韓国では中退ではなく辞退という)した 歌手ソテジの歌、
 「私は自分の人生を自分で創る。自分の道をさがす力を自分たちにくれ!」に、大きな反響が
 あった。 若者がソテジを囲んだ。
 自分がやりたいことがやれるように、新しい仕組みを創る必要があると気付いた。

サイバー・ユース
  調査の方法として、子どもたちの声を直接聴くために、サイバー・ユースをつくった。
 立ち上げは延世大学青年文化センターだが、1年後は子どもたちが運営した。
 狭い学校でなく社会を学校として学びたい、社会に自分たちの思いを分かって欲しいという
 子どもたちが集まってきた。
 職業訓練校とか、既存の施設も見て回ったが、学校に行かない子どもたちのものでは
 なかった。新しいものを創るより他ないと考えた。

サイバー・ユース の声から
   1 文化・芸術・映像に関心が強い。
   2 学校システムに強い抵抗を持ち、脱出したい。
   3 自分のやりたいことを求めていく。

5つのファクトリー
 大人が整理して、Hajaに5つのファクトリーをつくった。 ファクトリーは、 自分を表現する手段。
 必ずしも将来の職業にはつながらない。

「パンドリ」 …指導者は、しっかりした専門家。実力のある大人と一緒にやれることは、
         大きな魅力である。
        「パン 」は、広場、何かやれるところの意。   「ドリ」 は、回すの意。
        新しくHajaで創った単語で、現場をリードする人の意。
「チュドリ」…子どものリーダー。
        「チュ」は、ここにいる人の意、「ドリ」 は、回すの意。
         パンドリと比べて、消極的な感じで嫌う子もいた。

Q:Hajaの文化とは、何ですか。

A:「何でも話が出来ること」がHajaの文化。
  Hajaには、モデルがなかったので、新しく創るより他なかった。
自立心のある子が多く、いろいろなミーティングをやっていた。
例えば、タバコ。ミーティングで話し合って外で、吸うことにする。セクハラもオープンにする。   自分たちの問題として、自分で解決する力を身につけることができる。  サイトが役に立った。

Q:Haja生産場学校とは、どんなところですか。

Haja生産場学校
A:2001年9月に設立。60名の学生がいる。
  初めの頃ほど積極的でない子、相手を配慮しない子が増えて、むつかしくなった。
キム・ヒ・オクさんが中心となって、今システムを作っているところ。
 「道をさがすコース」が必要になってきたと考えている。
  自分だけでなく、他人と一緒に何ができるか、半年ないし1年間自分を見つめる勉強をする。
アメリカのオルタナティヴハイスクールがモデル。
抵抗する子どもたちもいる。まだ自分が確立していないので、自分を見てたい。
 夜型の子が多い。いろんな子がいて悩んでいる。

自分の道を見つける→ファクトリーで表現する。→インターンシップで卒業へ。
   ジュニア                       シニア  

Q:日本では「ひきこもり」の子どもが問題になっているが。

A:日本とは違うが、自分の中に沈潜する子もいる。
  女の子の方が積極的。男の子は、自分の中に入り込む。鋭敏だが、それだけ表現へとリードすることができる。 今は、敏感でなく、自分を表現できない子が多くなって来た。「道をさがすコース」がなければ、ボーとしている。むつかしい。
 ほぐすためのコースを置いたが、成功するかどうかまだ分からない。 心理的なアプローチはしないが、担当の先生と自分の過去を話し合う。 外で遊んだり、Hajaセンターで何かやってみる。

Q:青年文化センターは。

A:今も延世大学にある。国からの委託を受ける受け皿となっている。



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